米Dellは、AMDのプロセッサを使ったPCに関する小売り戦略を明らかにした。
同社の公式ブログDirect2Dellに2月8日付で掲載されたデジタルメディアマネジャーのライオネル・メンチャカ氏の投稿によると、AMD製プロセッサを使ったInspironシリーズのデスクトップPCとノートPCは、大部分が小売店のみでの販売になる。
しかし、AMDプロセッサ搭載の一部コンシューマー向けPCと、企業向けノートPC、デスクトップPC、サーバは今後もネット販売を継続する。メンチャカ氏の投稿は、DellがWebサイトでAMDプロセッサ搭載製品の販売を取りやめたと複数メディアで報じられたことに応えたもの。
投稿には「Dellは製品の提供や販売方法について定期的に調整を行っている。現在、AMDプロセッサを搭載したInspironの大部分はWal-Mart、Best Buy、Staplesといった提携小売店および電話で販売している」と記されている。
Dellは2007年、小売店経由のPC販売を開始した。メンチャカ氏の投稿は、まだこの新しい販売モデルが調整中であり、同社がコンシューマー向けのアプローチを練ろうとしていることをうかがわせる。
AMDプロセッサ搭載マシンの一部を小売店での販売に切り替えた一因は、Webサイトをハイエンド製品用とすることが狙いだ。Technology Business Researchのアナリスト、ジョン・スプーナー氏によれば、DellのWebサイトで買い物をするユーザーのほとんどはレベルが高く、Intelのハイエンドプロセッサにもっと多額を費やすことをいとわない。しかし今回の決定は、2年前にDellに圧力をかけてAMDプロセッサ搭載PCの提供に踏み切らせたAMDファンの顧客を怒らせるかもしれないとスプーナー氏は言う。
Dellや東芝などのPCメーカーは、小売店で販売しているローエンドPCにもAMDプロセッサを使っている。メーカーは売り上げを小売店に分配する必要があるため、Dellや東芝が、安く仕入れられてバックエンドで利幅をかさ上げしてくれるAMDプロセッサ搭載のシステムを動かすために小売り網を使うのは理にかなっている。
「小売りの場合、Dellは利益を小売店に分配しなければならないため、取り分は低くなる。従ってこのケースで価格が低いAMDプロセッサを使うことには大きな意味がある」とスプーナー氏は解説している。
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