ITmedia NEWS > 社会とIT >

イー・アクセス、アッカに株主代表訴訟を準備

» 2008年03月19日 21時16分 公開
[ITmedia]

 イー・アクセスの千本倖生会長兼CEOは3月19日、同社が筆頭株主のアッカ・ネットワークスによる自己株の取得手法が「会社法に違反している上、投資家の利益を損なう」として株主代表訴訟を準備していることを明らかにした。いったん取引を白紙に戻すよう求めており、アッカの対応次第で決断する考えだ。

 アッカは今月7日、三井物産が保有していた同社株全部・1万2820株(発行済み株式の10.3%)を、市場内取引(JASDAQ)により19億2300万円で取得したと発表。これに対しイー・アクセスは、株主に対する周知・検討の時間が与えられない中、取引時間外の午前8時45分に1万2820株の売買を成立させる手法は実質的に市場外での相対取引であり、株主総会決議を必要とする会社法に違反する上、一般投資家の利益を損ねる──などと指摘。アッカに取得手法をただす質問状を送付していた。

 これに対しアッカは回答期限の18日、「取引所規則に従った市場内取引であり、会社法に違反していない」「売り付け数が買い付け数を超えた場合は按分する仕組みで、相手方は特定されていない」としてイー・アクセスの指摘を否定した。

 だが千本会長は「形式的だ」と回答を強く批判。「他の売買機会を奪い、公正な価格形成機会を放棄して会社の価値を傷つけた」などとして、アッカの現経営陣3人と三井物産が派遣している社外取締役ら計5人に対し代表訴訟を準備していることを明らかにした。また取引の撤回と、新経営陣候補に対し株主保護についての考えをただす質問状を送付した。

 28日に開かれるアッカの定時株主総会での返答次第で訴訟を具体的に検討するという。

 イー・アクセスによると、三井物産からの株式取得に同社も参加するため、朝方に証券会社3社を通じて買い注文を入れたが、3社とも「JASDAQに断られた」と返してきたという。千本会長は「買い手が複数いてダメな根拠は何もない。こんなことだから日本から資金が逃げていく」とJASDAQの姿勢も批判した。

 さらに、三井物産が派遣したアッカの社外取締役らが17日に退任したことについて、「総会までの残り任期10日あまりでの退任は明らかに不合理」「まったくの憶測だが、三井物産も何かやましいところがあるのでは」と話した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.