Mac使いかPCユーザーかにかかわらず、短時間でもAppleのロゴを見せられると創造性が上昇する――米デューク大学のフュークア経営大学院とカナダのウォータールー大学が3月18日、調査結果を報告した。
Journal of Consumer Researchの4月号に掲載されたこの報告書によると、人は著名なブランドを数秒間目にしただけで、そのブランドの特性を反映した行動を取るようになるという。
ブランドと行動の相関性を調べるため、研究者らは著名かつ対照的な2つのブランド、AppleとIBMを選択した。Appleのイメージは「慣習に従わない、革新的、創造的」、一方のIBMの一般的なイメージは「伝統的、スマート、責任感」だ。
研究チームは大学生341人に、まず視力テストと称して画面に連続表示されるブロックの位置を当てさせた。このときAppleまたはIBMのロゴを本人も認識できない速さで表示した。その後、「壁を作ること以外で、レンガを使ってできることすべてを挙げよ」という課題に取り組ませた。
Appleのロゴを見せられた学生は、IBMのロゴを見せられた学生と比べ、ユニークなレンガの使い方を考案したという。また判定に当たった審査員も、Appleのロゴを見た学生たちの案の方が「より創造的」との判定を下した。
ただし学生たちはなんのロゴを見たかはまったく記憶していなかった。「自分が見たロゴを言い当てられたら100ドル」としたものの、当てられた学生は1人もいなかったという。
また研究チームは確認のため、DisneyとE! Channel(セレブのゴシップニュースなどを扱うCATV局)のロゴを見せる実験も行ったところ、Disneyのロゴを見た参加者の方がE!のロゴを見た参加者よりも「より正直な」行動を取ったという。
研究者らは、ロゴの効果は十分活用できるとし、一般的な広告やテレビCMに巨額を費やすよりも、ブランドイメージが確立している企業であれば、商品やロゴを露出するマーケティング手法の方が有効だと分析。また消費者に対しては、あるタスク、例えばスポーツなどでよい成績を上げたければ、スポーツでの成功をイメージさせるロゴを見るといいとアドバイスしている。
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