編集長の坂上さんは、アニメーターを目指して通っていた専門学校で友人にBL作品を紹介されて読むようになったという。専門学校時代は毎日欠かさずBL作品を読んでいたが、今は週に1回程度。「BLは、2人の好みのキャラクターが絡んでいるを見るのが楽しい。顔に傷があったり、包帯を巻いているキャラが好き」と話す。
もう1人の編集者・青木さんは、BL初心者だ。腐女子が書いたブログを読むなどして勉強中という。
同社は、電子書籍サイト「eBookJAPAN」を運営するイーブックイニシアティブジャパンと共同で、レディースコミック専門の「e・ladycomi.com」とBLコミック・書籍専門の「e・boyslove.com」を運営している。fujyoshi.jpは当初、e・boyslove.comにユーザーを集める目的で立ち上げた。
e・boyslove.comの1カ月当たりの売り上げは約100万円。売り上げやユーザーを増やすため、女性誌に広告を出したが「ほとんど効果はなかった」(同社の花房寛社長)という。
大手ポータルサイトの検索結果ページに広告を出そうとした際は、e・boyslove.comがアダルトサイトと判断され、掲載を断られた。そこで同社は腐女子が集まるポータルサイトを作り、e・boyslove.comに誘導しようと考えた。
fujyoshi.jpの効果はすぐに現れた。オープン後、e・boyslove.comの1日の新規会員登録者数は以前の10倍になったという。開設から2日後には、fujyoshi.jpに広告を出稿したいという依頼も来た。現在、1日当たりのページビューは約3〜5万。「fujyoshi.jpは、いろんなビジネスの可能性を秘めている」と花房社長は話す。
花房社長は、腐女子が増えていると実感している。「社員がバーでfujyoshi.jpの話をしていたら、『私も腐女子なんです』と話しかけられた。犬も歩けば腐女子に当たるという感じ」(花房社長)
最近では「腐女子の品格」という本が出版されたり、ボーイズラブが好きな女性が主人公のドラマ「腐女子デカ」が放送されるなど、“腐女子”が広く認知され始めた。女性オタクで構成した「中野腐女子シスターズ」というアイドルユニットも人気だ。
昨年まで6年間アメリカにいたという青木さんは「これまで、BLはアダルトな分野で、隠すものなのかと思っていた。日本に帰ってきたら、腐女子の世界がオープンになっていたので驚いた。浦島太郎みたいな気分」と話す。
今後は、e・boyslove.comにユーザーを誘導するだけでなく、サイト単体で本格的にビジネス化していく考えだ。4月には携帯電話向けサイトを開設する。DVDやCD、ゲーム販売など物販の展開も検討していく。
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