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大手レーベルの対Baidu訴訟、中国裁判所で審理へ

» 2008年04月08日 08時33分 公開
[ITmedia]

 国際レコード産業連盟(IFPI)は4月7日、大手レーベル3社が中国の検索エンジン最大手Baidu(百度)を相手に起こした訴訟について、北京の第一中級人民法院が審理に入ることで合意したと発表した。この訴訟は、Baiduの音楽配信サービスが著作権を侵害しているとするもので、総額900万ドルに上る損害賠償を求めている。IFPIは、この訴訟が指摘する著作権侵害は「氷山の1角にすぎない」とみており、同様の訴訟が相次げば、Baiduは総額数十億ドル規模の賠償責任に直面する可能性があるとしている。

 この訴訟の原告は、Universal Music、SONY BMG Music Entertainment Hong Kong、Warner Music Hong Kongの3社。訴えによると、Baiduの音楽配信サービスは第三者のWebサイトに掲載されている大量の楽曲の違法コピーに「ディープリンク」を張ってユーザーに提供しており、Baiduはこのサービスで著作権を侵害する一方、相当額の広告収入を得ているという。訴訟は楽曲127曲を対象としており、1曲当たり、中国での法定賠償金の上限である50万元(約7万1000ドル)の支払いを求めている。IFPIは、Baiduが著作権を侵害している楽曲数は、合計「25万曲以上」に上るとみている。

 IFPIはまた、Baidu訴訟の原告3社が、Gold Label Entertainmentとともに中国Sohu傘下のSogouに対して起こしている同様の訴訟も、審理に入る予定であることを明らかにした。Sohuは北京五輪の公式スポンサー企業。この訴訟は105曲を対象とし、総額750万ドルの賠償を求めている。

 IFPIは、同様の音楽配信サービスを運営していたYahoo! Chinaを提訴し、2007年12月に勝訴している。中国市場が「合法的なデジタル音楽市場として大きな可能性を持つ」としつつも、現在は99%以上のオンライン楽曲が著作権を侵害していると指摘し、「Baiduのようなネット巨人が、アーティストや作詞・作曲家、レコード制作者の権利の悪用で富を築くのはまったくの間違いだ」としている。

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