米IBMは6月16日、東京応化工業と、次世代太陽エネルギー電池の製造技術の共同開発を行うと発表した。薄膜技術を活用した低コストの太陽電池を量産化することで、太陽エネルギー発電の採用拡大を目指す。
両社は、非シリコン系材料「CIGS」(銅・インジウム・ガリウム・セレン)を使った太陽電池モジュールの製造プロセスや材料、装置を共同開発する。従来のシリコン素材を使用した太陽電池は、ほかのエネルギー源と比べて効率が低い上にコストが高く、太陽エネルギーの普及を抑制する要因になっていた。これに対し薄膜CIGS太陽電池は、シリコン系の電池の100分の1の薄さで、安価なガラス基板に重ねることができるため、低コスト化が可能。さらに、建物の屋上や壁、着色ガラス窓など、さまざまな表面にはることができる柔軟性を持つという。
東京応化は、半導体や薄型パネルディスプレイ用のフォトレジストを供給している。同社のコーティング技術や高純度化学物質と、IBMが開発した高効率のCIGS太陽電池製造プロセスを組み合わせることで、薄膜太陽電池の量産が可能になるとみている。
IBMは薄膜CIGS太陽電池のほかにも、集光型太陽光発電(CPV)など計4分野で、太陽エネルギー関連の研究を行っている。
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