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» 2008年05月17日 08時15分 UPDATE

IBM、太陽光発電の新技術を発表――チップ冷却技術応用で大幅コスト削減

液体金属を使ったチップ冷却技術を応用することで、太陽電池の温度上昇を摂氏1600度から85度に抑えることに成功した。

[ITmedia]

 米IBMは5月15日、太陽光発電の新技術を発表した。レンズで太陽光を集めて発電する「集光型太陽光発電」(Concentrator PhotoVoltaics:CPV)分野での新技術で、実用化されれば、通常のCPV発電に比べ、大幅なコスト削減につながる可能性があるという。

 新技術は、大型レンズと同社のチップ冷却技術を組み合わせたもの。大型レンズで1平方センチの太陽電池に230ワットの太陽光を集中させる一方、太陽電池と銅製冷却プレートの間にガリウムとインジウムの化合物でできた極薄の液体金属層を配して熱を逃すようにした。これにより、太陽電池の温度上昇をセ氏1600度から同85度まで抑えることが可能となったという。

ibm

 太陽電池の冷却が可能になったことで、通常のCPV発電の約5倍の出力密度を実現できるようになった。IBMは、この新技術により、発電所で必要な太陽電池やレンズなどの部品の数を従来よりも抑えることができ、著しいコスト削減が可能とみている。

 IBMは「当社は、代替エネルギー研究という重要な分野に、半導体やナノテクノロジー分野での多くの経験に基づく独自のスキルを応用できる」とコメント。今回の新技術について「基本的な太陽光発電の科学に基づきつつも、業界全体を大きく変える可能性を持つ試験的研究プロジェクトの1つ」としている。

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