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ヤフーが「世界初」広告商品 コンテンツマッチ×行動ターゲティング

» 2008年07月17日 19時23分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 ヤフーは7月19日、クリック課金型テキスト広告の新商品「インタレストマッチ」を秋から提供すると発表した。コンテンツマッチ広告と行動ターゲティングを合わせたような商品で、ユーザーが閲覧中のページの内容と、あらかじめ把握している興味・関心を組み合わせ、最適な広告を表示する仕組み。「世界初のサービス」としている。

画像 井上社長

 同社は新広告を、ブランディング広告、検索連動広告に続く広告事業の第3の柱に育てていきたい考えで、井上雅博社長は「検索連動広告と同等の市場規模があるだろう」と期待を込める。

 子会社ブレイナーの技術とオーバーチュアの営業・運用ノウハウを融合。ユーザーが閲覧中のページの内容を解析するコンテンツマッチ広告の技術と、Yahoo!JAPAN内で過去に閲覧したWebサイトの履歴や検索キーワードからユーザーの興味・関心を把握する行動ターゲティングの技術を組み合わせた。ユーザーの性別や年齢層も加味し、広告主が設定したキーワードに最も合ったページに広告を表示する。

 例えば、あるユーザーが数週間前に国内旅行関連ページを閲覧し、数日前に沖縄に関するページを閲覧。今はサッカー関連の記事を閲覧していたとすると、閲覧中のサッカー関連記事の周囲に、サッカーグッズの広告と沖縄旅行の広告、国内旅行の広告が表示される――といったイメージだ。

画像

 同社によるとオーバーチュアのコンテンツマッチ広告の精度はこれまで、競合最大手に劣っていた上、過去の検索履歴を反映することができなかったという。インタレストマッチは、コンテンツマッチの精度を競合と同等に上げた上で、検索履歴に加えてサイト閲覧履歴まで反映できるため、競合よりも精度の高い広告配信が可能になるとしている。

 同社が運営するサイトのうち約半数がスタート時から対応する予定で、Yahoo!トピックスやYahoo!ファイナンス、Yahoo!スポーツなど月間約200億ページビュー(PV)分が広告媒体になる。順次、オーバーチュアの提携パートナーや、「Yahoo!ウェブオーナーセンター」を利用している個人サイトにも配信先を広げていく。

 サービス開始1カ月後に携帯電話に対応し、その1カ月後にはWebから申し込みできるようにする予定。広告主は「これまでチラシを配ったり新聞広告を利用していたような」(井上社長)中小の事業者を想定し、「広告市場に勘定されていなかった層を取り込んでいく」としている。

 同社の広告事業は現在、バナーやレクタングル広告といったブランディング広告と、検索連動広告が中心。井上社長はインタレストマッチを、第3の広告の柱に育てていきたいと述べる。

 「ユーザーの興味関心に合った広告を表示できるという点では、検索連動広告の方が10倍精度が高いかもしれない。ただYahoo!JAPAN内では検索以外の利用が全体の9割以上。インタレストマッチ向けPVの在庫は検索連動広告の10倍以上あることになる。10分の1の精度×10倍のPVで、検索連動広告と同等の市場規模になると期待している」

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