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脱獄したスパム王、家族を殺害し自殺

» 2008年07月28日 10時47分 公開
[Roy Mark,eWEEK]
eWEEK

 報道によると、迷惑メール送信で有罪判決を受けた「スパム王」ことエディー・デビッドソン受刑者(35)が、妻と3歳の娘を殺して自殺した。デビッドソン受刑者は、ネットで安値株を売り込む手口の詐欺で悪名をはせ、米コロラド州フローレンスの連邦刑務所で服役中だったが、数日前に脱走していた。

 Denver Post紙によると、デビッドソン受刑者はコロラド州ベネット近郊にある住宅の私道で死亡しているのが見つかった。銃で自殺したとみられる。私道には2006年製トヨタ・セコイアが停めてあり、車内からやはり銃で撃たれた妻と幼児の遺体が見つかった。10代の子供1人と後部座席に乗っていた幼児1人は助かった。

 デビッドソン受刑者は7月20日に警備が手薄なフローレンスの刑務所を脱走した。安値株を売り込むメールを大量に送信したとして21カ月の実刑判決を言い渡され、まだ2カ月しか刑期を務めていなかった。Rocky Mountain News紙によれば、刑務所からの脱走は妻に手伝わせたという。

 負傷した10代の子供は受刑者の娘だと同紙は伝えている。殺害を免れ意識ははっきりしており、当局に事情を話しているという。

 「何という惨劇、それに何と卑劣なことか。デビッドソンは自分の罪のために家族を死刑にしてしまった」。トロイ・イード米連邦検事は同紙にこうコメントした。

 デビッドソン受刑者は4月28日に実刑判決を言い渡され、約2年の禁固に加え、損害賠償71万4139ドルを米内国歳入庁(IRS)に払うよう命じられた。賠償の一部に充てるため、犯罪で不法に蓄えた利益のほか、自分で購入した金貨などの私財没収に同意した。

 検察の記録によると、デビッドソン受刑者は2002年7月から2007年4月にかけて迷惑メールビジネスを展開。主に企業の宣伝サービスを請け負って大量の商用メールを許可なく送りつけていた。

 当初のスパムでは企業から宣伝を請け負った時計、香水などの商品を売り込んでいた。2005年半ば以降はテキサス州のある企業のために、この会社の株を宣伝するようになる。この会社は、小規模企業のために公開市場で株を販売して収益を上げていた。

 デビッドソン受刑者は複数の請負業者を使い、全米や各国のユーザーにあてて大量の迷惑メールを送信。絶好の投資チャンスだとうたって株を売り込んでいた。

 メールは偽のヘッダ情報を使って実際の送信元が受信者に分からないようにしていた。デビッドソン受刑者はベネットの自宅にコンピュータとサーバの大規模ネットワークを構築してスパムビジネスを営んでいた。

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