公正取引委員会は7月28日、着うた配信サービスをめぐり、ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)など大手レコード会社4社が共同し、楽曲の原盤権をほかの業者に利用許諾しなかったとして、独占禁止法違反(共同の取引拒絶)を認定する審決を出した。審決は「行為はなお継続している」として、許諾拒否を取りやめるよう命じた。
4社は、SMEとエイベックス・マーケティング、ビクターエンタテインメント、ユニバーサルミュージック。
審決によると、4社と、排除勧告を応諾した東芝EMI(当時)は、共同で設立したレーベルモバイルを通じて着うた配信を展開。別の着うた配信業者が原盤権の利用許諾を共同して行わず、新規参入を妨害した。
5社間で共同して拒絶するよう明示的に通じ合っていた証拠はないが、(1)5社がレーベルモバイルに対して着うた配信を委託する一方、他の業者に利用許諾したケースがほぼ皆無だった、(2)レーベルモバイルでアフィリエイト戦略を検討していた──といった状況を総合して判断すれば、共同して拒絶していたことについて、意志の連絡があったと認められる、とした。
また共同の取引拒絶行為をやめたことを対外的に明らかにしたとは認められず、利用が許諾されるようになったという状況もないため、違反行為は現在も続いていると認定。他の業者への利用許諾拒否をやめ、今後は各社が自主的に原盤権の利用許諾の可否を決めることを公表して周知するよう命じた。
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