ニコンは10月7日、ヘッドフォンとウェアラブルディスプレイ、携帯プレーヤーなどが一体化した新製品「UP」(ユー・ピー)を発表した。米Appleの「iTunes+iPod」のように、ハードとソフト、コンテンツを組み合わせた事業モデルを描き、「ネット時代のニコン」の新しいイメージを構築する構えだ。
東京の「表参道ヒルズ」に体験ブースを設置するなど、トレンドに敏感な層に積極的に拡販。専用ソフトを通じて映像コンテンツを配信するほか、UPで閲覧できる動画投稿サイトも開設。ニコン製カメラで撮影した動画や静止画を投稿し、UPで閲覧する――という流れも作りたい考えだ。
国内で事業モデルを確立した上で世界展開し、2013年度に世界300万台の売り上げを目指す(ウェアラブルディスプレイ&ヘッドフォン&プレーヤー=「UP」 ニコンが新製品)。
UPは、片目で閲覧できる眼鏡型ディスプレイとヘッドフォン、モバイルAVプレーヤー、無線LAN(IEEE 802.11b/g)によるネット接続機能などを一体化した端末。
専用PCソフト「UPlink」(ユーピー・リンク)を使って映像(MPEG-1/MPEG2/WMV9)や音楽(MP3/WMA9/AAC)コンテンツを転送すれば、映像・音楽プレーヤーとして利用できる。Internet Explorer 6.0相当のWebブラウザを搭載し、ネット閲覧も可能だ。
UPlinkを通じて、動画配信サービス「UPdownload」(ダウンロード型)、「UPstram」(ストリーミング型)も提供。音楽プロモーションビデオやエンターテインメント情報、語学学習コンテンツなどを、テレビ番組を選ぶような感覚で選んで視聴できるという。まずは無料で配信してユーザーニーズを把握した上で、一部コンテンツを有料販売する考えだ。
動画を投稿・共有できるサイト「UPLAB@my Picturetown」もオープンする計画。ニコン製カメラで撮影した動画をアップしてもらい、PCやUPで閲覧する――という「映像バリューチェーン」を描く。
価格は、上位版の「UP300x」(8Gバイトメモリ内蔵)が6万9800円、ベーシックモデルの「UP300」(4Gバイトメモリ内蔵)が5万9800円。上位版はモーションセンサーを内蔵し、頭を上下左右に動かすことで音量コントロールなどが行える。
ターゲットは20〜30代の先進的な男性で、まずは専用サイト「UPSTORE」限定で販売する。UPを体験できるスペース「UPLAB」(ユーピー・ラボ)を12月7日まで表参道ヒルズに設置するほか、「PORTER」(吉田カバン)ブランドの専用キャリングケースも販売し、トレンドに敏感な層に訴求する。
初回出荷分は5000台で、12月中旬の出荷を予定している。国内で事業モデルを確立した後世界に展開し、2013年度には世界合計で300万台を売り上げる計画だ。
「ニコンはカメラブランドとして支持を受けている。デジタル化、ネット化でさらに世界を広げ、デジタルイメージングブランドにしていきたい」――同社の執行役員の風見一之映像カンパニー本部長は意気込む。
昨年8月にはオンラインアルバム「my Picturetown」をオープンするなど、ネット事業を本格化している。「my Picturetownをハブにして、サービスや製品を展開していきたい」(風見一之映像カンパニー本部長)。「ネット時代のニコン」の新しいイメージを、UTやmy Picturetownを中心に構築していく。
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