ディー・エヌ・エー(DeNA)は10月28日、2009年3月期通期の連結業績予想を下方修正し、売上高が従来予想比12%減の370億円(前期比では24%増)になる見通しだと発表した。主力の「モバゲータウン」でアバターの売り上げ減少が止まらないことが主因という。
対策として下期に3Dアバターを導入し、アバターの購買意欲を刺激する計画。大手ゲームメーカーが制作した本格ゲームも充実させ、ゲーム内のアイテム課金を収益の柱に育ていく考えだ。
修正後の利益予想は、営業利益が前回予想比17%減の145億円(前期比15%増)、経常利益が17%減の146億円(14%増)、純利益が11%減の78億円(15%増)。
同日発表した08年7月〜9月期(2Q)連結決算は、前年同期と比べると増収増益だが、前四半期比では減収減益にとどまった。
売上高は前年同期比36%増の86億9200万円(前四半期比4%減)、営業利益は28%増の34億5000万円(19%減)、経常利益は28%増の35億7000万円(19%減)、純利益は42%増の19億800万円(20%減)。
2Qのモバゲータウンの売上高は前四半期から6.7%減って46億700万円。タイアップ広告や純広告、ゲーム内のアイテム課金などの売り上げは増加したものの、アバター需要の減退が響いた。
有料アバターの売り上げ減少は2四半期連続。無料アバターを手に入れるために必要な広告クリックや広告掲載商品の購入も低迷し、アフィリエイト収入は3四半期連続で減少した。下期もアバター販売やアフィリエイト収入が落ち込むとみている。
アバター低迷の原因は「新規性の欠如」と南場智子社長は分析している。「ユーザーに聞いてみると『今のアバターで十分』と言う。今後はアバターの洋服を着替える楽しみなどを創出していきたい」とし、下期には3億円をかけて3Dのアバターを導入する計画。ゲームとアバターを連携させるなど、利用シーン拡大も図る。
今後のモバゲーの新たな収益の柱と位置づけるのは、ゲーム内のアイテム課金だ。従来はカジュアルゲーム中心だったが、今後は大手ゲームメーカーが開発した本格ゲームを充実させ、ゲーム内で有料アイテムを販売する(モバゲーにスクエニ新作RPGも 本格「ゲームポータル」戦略、アイテム課金を収益源に)。
大手ゲームメーカーの本格ゲームは現在、「ロードクエスト」(タイトー)、「エルアーク」(スクウェア・エニックス)など4タイトルあり、下期に10タイトル追加する計画。来年度には約30タイトルをそろえる予定だ。育成ゲームなど女性向けゲームも増やす。
PC向けオンラインゲームではアイテム課金モデルが主流だが、携帯電話向けゲームは月ぎめの料金を支払ってプレイするものが多い。南場社長は「PC向けゲームのトレンドが携帯向けゲーム市場でも広まるだろう。携帯ゲームを月額課金モデルからアイテム課金モデルに転換させたい。将来はモバイルゲームコンテンツ市場で10%のシェア獲得を目指す」と意気込む。
08年7月〜9月期のモバゲー以外の売上高は、オークションサイト「モバオク」が前年同期比20.4%増の8億9300万円、ECサイト「モバコレ」が68.8%増の4億4400万円、PC向けオークション&ショッピングモール「ビッダーズ」が12.2%増の12億3900万円。
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