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IBM、高齢者の記憶力をサポートする新技術開発プロジェクトを立ち上げ

» 2008年11月19日 08時14分 公開
[ITmedia]

 米IBMは11月18日、欧州の企業や大学と協力し、記憶力が低下したり認知症を発症した高齢者の日常生活をサポートする新技術を開発すると発表した。

 新プロジェクト「HERMES Cognitive Care for Active Aging」で、脳機能を活性化させる家庭用機器やサービスを開発する計画。

 HERMESが開発する家庭用機器の試作品はマイクとビデオカメラを搭載した携帯可能な小型デバイスになる。高齢者が判断を下すときの会話や様子を記録し、外出した日時、会話、行動など、記録されたすべての情報を保管、処理、分析し、ユーザーの記憶支援に役立てるという。

 同プロジェクトでは、デバイスを通じて主に3種類のサービスを提供する計画だ。

 1つは、最近起こった出来事を、ユーザーが思い出すのを支援するサービス。例えばユーザーがデバイスに「昨日モントリオールの吹雪について娘と話したとき、あの子はわたしになんていったかしら?」と尋ねると、時間とキーワードをもとにデバイスが自動的に記録した情報を検出し、該当する会話の音声または場面を再生する。

 2つ目は日々の予定を思い出し、生活を管理するのを支援するサービス。例えばユーザーが、コーヒーがもうすぐ切れると気付いたときに、デバイスにリマインドを頼んでおくと、ユーザーが日常的にコーヒーを買っている店の近くまで来ると、コーヒーを買うよう音声で伝える。

 3つ目は個人の実際の経験をもとに、記憶力増進エクササイズを提供するサービス。例えば、予定リストをユーザーに示し、それを分野別に並び替えるクイズを出したり、1つの予定を取り上げてその日時を尋ねたりする。

 HERMESプロジェクトには、イスラエルを拠点とするIBM Research Lab、ギリシャのAthens Information Technology、英国のブランフォード大学、イタリアのTXT e-Solutionsが参加している。IBMはこのプロジェクトにおいて、主に音声のテキスト化、話し手認識、音声ベースの感情探知などの技術を提供するという。

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