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Google、Webアプリでx86ネイティブコードを動作させる「Native Client」発表

» 2008年12月10日 07時50分 公開
[ITmedia]

 米Googleは12月8日、Webアプリケーションでx86系CPU向けのネイティブコード(マシン語で記述されたプログラム)を動作させる、オープンソースの技術「Native Client」を発表した。

 Native Clientは、クライアントPCのCPU処理能力をフルに活用しつつ、ブラウザの中立性、OSのポータビリティと安全性を満たしたWebアプリケーションを開発できるようにするもの。

 ランタイム、ブラウザプラグイン、GCCベースのコンパイラツールで構成され、これを利用することで、Webブラウザで動作する、ネイティブコードモジュールを含むアプリケーションが構築できる。ユーザーをマルウェアから保護し、ポータビリティを維持するため、ソフトウェアを封じ込めるinner-sandboxというシステムを設定することで、使用可能なモジュールについては厳しく定義しているという。

 同社によれば、ブラウザで安全にネイティブコードを動作できれば、開発者、ユーザーの両方にメリットがあるという。例えば、写真共有サイトの運営者が、そのサイトにアクセスしたままユーザーが写真の修整を行えるようにしたいとする。現在は、JavaScriptとサーバ側の処理によってこの機能を提供できるが、ブラウザとサーバ間で大容量の画像データの送受信を行う必要があり、ユーザーはかなり長い時間待たされる。ユーザーのマシンでネイティブコードをシームレスに動作できれば、デスクトップのCPUで画像処理が行えるため、データ転送と遅延の発生を最小限にできる。

 コンパイルツールとランタイムなどは、Firefox、Safari、Opera、Google Chromeの各ブラウザを動作する、x86系CPUを搭載したWindows、Mac、Linuxシステムに対応する。Googleはx86系以外のCPU(ARM、PowerPCなど)にも対応するよう、現在開発を進めているという。

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