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レガシーをリセット 戦略的IT投資の機運に好機、MS新年度方針

» 2009年07月07日 18時11分 公開
[ITmedia]
photo 樋口社長

 マイクロソフトの樋口泰行社長は7月7日、今月始まった同社新年度の経営方針を説明した。企業向けでは、景気の調整局面で企業が戦略的投資に踏み切る機運をチャンスとしてソリューション販売を強化、コンシューマー向けではWindows 7や新検索エンジン「Bing」に力を入れていく。

 「前年度は7月に始まってから10月にリーマンショックが起き、大変厳しい年度だった」と振り返る。調整局面の今を同社内では「リセットピリオド」と呼び、今後の成長に向けた助走として、通用しなくなってきているレガシーな方法論の見直しを呼び掛ける。

 顧客も「業界によって濃淡はあるが、単なるコストダウンから、戦略的な投資モードになってきているのを肌で感じる」という。「せっかく投資するならガラパゴス的なものでは長期的に使えない、とマイクロソフトへの期待も高まっている」ことも追い風にしていきたい考えだ。

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 企業向け分野では引き続きソリューション販売を強化するほか、パッケージとオンラインサービスを組み合わせる「ソフトウェア+サービス」の加速などに力を注いでいく。

 ソフトウェア+サービスを支える基盤となるクラウドコンピューティング関連では、「Windows Azure」が今年後半に米国で商用利用の開始を予定しており、国内でも技術評価を進める。「Silverlight」は月内に「3」のリリースを予定しており、H.264動画に対応。「.NET 4.0」と「Visual Studio 2010」は来年前半にリリースする計画だ。

 コンシューマー向けでは、10月22日に発売するWindows 7を筆頭に、Windows Mobile、Bing、Xbox Liveが注力分野だ。

 Bingは「ユーザーの意志決定支援」がコンセプト。一般のWeb検索に加え、購入する商品を比較して決めたり、旅行プランを立てる場合などに便利な検索機能を備えている。日本語版はβ公開の段階。当面は従来の「Live Search」と同じ機能にとどまる。堂山昌司副社長(コンシューマー&オンライン事業部担当)は「少し時間をかけて、各ポータルがやっているようにビューティー分野など日本独自のものを導入していきたい」と話す。

 広告事業ではメディアネットワークの展開を強化する。費用対効果が高いターゲティング広告やリッチメディアた広告にもに力を入れていく。

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