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» 2011年01月21日 07時00分 UPDATE

3歳でブログ、9歳でTwitter 「都条例ぷんすか(ω)」のはるかぜちゃんに聞く (2/3)

[岡田有花,ITmedia]

「ブログは思ったことを全部書けない」 9歳でTwitter

 9歳になったばかりの3月に、Twitterを始めた。仕事場でスタッフがTwitterについて話していたのを聞いて興味を持ち、母に登録してもらったという。操作法もすぐ習得した。

 Twitterは以前、13歳未満のユーザーによる使用を規約で禁止していたが、その条項はすでに削除されている。Twitterのプライバシーポリシーには現在、13歳未満が保護者に許諾なく個人情報を提供した場合の対応が書かれているが、13歳未満による利用は禁止していない。


画像 はるかぜちゃんのTwitter

 使い方は大人のTwitterと変わらない。「撮影も、あとちょっとです(ω)今日もさむいねむいがんばりまん(ω)」「天下一品こってりラーメンさいこう(ω)」など日々思ったことをつぶやき、番組を見てくれたファンなどとリプライで交流。ハッシュタグを付けてつぶやくこともある。

 Twitterはブログより楽しいという。「ブログだとみんなが見るし、思ったことを全部書けない。(事務所のブログはコメント欄がないので)返事ももらえない。Twitterのほうが、返事とかほかの人の意見が聞けるので楽しいです」

 大人をはっとさせるつぶやきも多い。例えば、大人が考える「子どもらしさ」について。「大人がすきな子どもらしい子なんか本当は、いないです(ω)かしこい子どもは、大人が笑ってくれるからそうしてるだけ(ω)」と喝破する。

 普段から子どもであることに甘えず、自分の意見をはっきり言うため、「生意気」「こまっしゃくれている」と嫌われ、損することも多い。監督など仕事場の大人に甘えれば好かれるし、もっとせりふや役をもらえるかもしれない――と分かっていても、はるかぜちゃんは「自分を隠したくない」と貫く。

 Twitterやブログではよく“しゃべる”が、普段はおとなしい。家では部屋にこもってずっと漫画を読み、いろいろ考えているという。ネットは気持ちをはき出せる場所。「普段はあまりしゃべらないけど思うことはいろいろあって、怒った後とかに、Twitterにだーっと書いたり」するそうだ。

 気持ちをリアルに表現できる自分だけの言葉を探し続けている。例えば「(ω)」は、「(^ω^)」を間違えて入力したことから生まれたオリジナルの記号だ。口頭では「わたし」と自称するが、Twitterの1人称は「ぼく」。そのほうがしっくり来るからだ。漢字は得意だが、「かわいいから」とひらがなを多用する。しょこたんの「がんばるお」にあこがれ、小学2年生のころ「がんばりまん」という言葉も発明した。

「全部漫画に教えてもらった」

画像 はるかぜちゃんの部屋の蔵書の数々。ブログより

 都の青少年育成条例問題についても、自分で考え、意見をつぶやいた。普段は見ないニュース番組をたまたま母と見て、「大好きな漫画が読めなくなってしまうかもしれない」と不安になり、Twitterに気持ちをぶつけた。

 はるかぜちゃんの家には、1000冊ほど漫画があるという。3歳のころ、祖母の家にあった「ガラスの仮面」にのめり込み、母が持っていた漫画も読みあさり、祖母が送ってくれた漫画も読み、書店で自ら新しい漫画を発掘し――古今の漫画を読みためてきた。漫画本は自分の給料で買っている。

 「ひぐらしのなく頃に」や「GANTZ」「カムイ外伝」「パタリロ」など、暴力表現や差別表現、性表現などがあり、一部の大人が「子どもに見せたくない」と言うような漫画にも、大好きな作品がたくさんある。都条例改正で、そんな作品が読めなくなってしまうのではないかと、ニュースを見て不安になった。

 一番好きな漫画「ひぐらしのなく頃に」は、小学校2年生のころ本屋で見つけて初めて読んだ。殺人や流血シーンもあるが、「いろんな感情を教えてもらった漫画」で、子どもも「読まないともったいない」と思っている。「邪魔な人間を殺してでも幸せをつかもうとして、でもやっぱり無理で、こんなことをしなけりゃよかった、と後悔する漫画。人を傷付けたら一生自分は幸せになれない、人を傷付けたらダメなんだ、ということが分かる」漫画だ。

画像

 「全部漫画に教えてもらった」。はるかぜちゃんの人生は、漫画で変わった。本気で演技に打ち込もうと思ったのは、「ガラスの仮面」で真剣に演技する北島マヤに心を打たれたから。漢字も難しい言葉も、立場の違う人たちの思いも、優しさや悲しさ、命の大切さも、漫画に教えてもらった。漫画のキャラと同じ立場の人物は、キャラになり切ることで上手に演じられる。

 Twitterに書いた、「ぼくたちはいいまんがも、悪いまんがも、ちゃんと自分でえらべます(ω)」は、漫画で学んできた9歳の、切実な叫びだ。「きれいなものや、笑えるものだけみせて育てた子供が人にやさしい大人になるとは、ぼくは思いません(ω)(ω)」「都条例ぷんすか(ω)」。こんなふうにも書いた。

 都条例に関する一連のつぶやきは「Togetter」にまとめられ、ニュースサイトにも取りあげられ、大人からたくさんのメッセージが届いた。「思っていることを書いただけで、そんなにみんなに喜んでもらえると思わなかった。賛成してくれる人が多いとは思わなかったです」と、はるかぜちゃんは振り返る。

 ブログOKの事務所だが、子役によるTwitterは認めていなかった。だが出演番組の宣伝のためという名目で、はるかぜちゃんのみ特別に許可。昨年いっぱいの期間限定という約束だったが、「はるかぜちゃんの感性と独特な文面による表現力をこのまま封じ込めてしまうのはもったいない」と、今年に入っても許している。

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