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「うがい薬を飲まないで」 放射線医学総合研究所、ネット上のデマに注意呼びかけ

» 2011年03月15日 16時35分 公開
[ITmedia]

 福島第一原子力発電所の事故を受け、「放射線被害を減らすためにうがい薬を飲めばいい」などといったデマがTwitterなどで出回っているとして、独立行政法人・放射線医学総合研究所は「根拠はなく、飲んではいけない」と注意を呼びかけている。

 放射性ヨウ素が大量に体の中に入った場合に内服薬である「安定ヨウ素材」を医師が処方する場合がある。市販品にもヨードチンキやうがい薬、のどスプレー、消毒用石けん、ルゴール液などにヨウ素が含まれているが、これらを安定ヨウ素剤の代わりに飲むのは絶対にやめるよう呼びかけている。

 理由として、(1)うがい薬などの市販薬は内服薬ではなく、ヨウ素以外の成分も多く含まれており、飲むと体に有害な作用を及ぼす可能性のある物質も含まれる、(2)飲んだとしてもヨウ素含有量が少なく、放射性ヨウ素が集まるのを抑制する効果がない──という。

 ワカメなどの海藻にもヨウ素は含まれているが、(1)含まれる安定ヨウ素が一定ではなく、十分な効果を得られるかは不明、(2)昆布などはよくかんで消化しなければならず、吸収までに時間がかかる──ため、十分な効果はないという。

 安定ヨウ素剤は医師が処方するものであって、原子力災害などの緊急時に指定された避難所などで服用指示があった場合のみ服用する指示している。

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