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「最高で250万円」という芸能人ブログ“広告”も ステマに業界危機感、健全化へ動く(2/2 ページ)

» 2012年02月06日 15時03分 公開
[榊原有希,ITmedia]
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 ステマ排除に向け、サイバーエージェントでは、昨年11月からタレント事務所全てを訪問、炎上した際のリスクを説明するなど啓蒙活動を行っているが、年明けから「食べログ」問題も発生。ユーザーの目もより厳しくなっていることを受け、1月24日に「関係性の明示」を必須とする決定をした。

 「これまでもクライアントや事務所に『関係性の明示』を説明してきましたが、『ブロガーの言論の保護』という観点から必ず明記するという強制はしていませんでした。しかし、一連の騒動を受け、読者の利益を守ることを最優先とし、今後は『関係性の明示』に賛同していただける方に依頼をすることに決定しました。最初に事務所へ商品のお話をする際、まず『関係性の明示』について賛同いただけるかどうかを確認し、ご協力いただけない場合は、それ以上案件を進めないという形をとります」

早急な業界基準を

photo 検索すると「口コミ投稿で稼ぐ」といった内容のページが大量に見つかる

 広告代理店やブロガーなどで構成するWOMマーケティング協議会(WOMJ)でも、2010年に金銭、物品、サービスの提供を受けていることなど「関係性の明示」を原則とするガイドラインを設けているが、1月16日に会員向けたガイドラインの詳細な説明を実施、一層の理解を求めた。

 WOMJではガイドラインに関して検討を行う委員会を常設しており、次回は2月6日に開かれる。また、ガイドライン委員会は駒沢大学グローバル・メディア・スタディーズ学部と協力、2012年度前期科目で学生向けの「口コミマーケティング入門」を実施する予定で、リテラシー向上に向けた啓蒙活動を行う。

 口コミが影響力を持つネットマーケティング業界にとって、深刻なステマ問題。業界全体の取り組みが急務だが、ある広告代理店で口コミマーケティングに携わっている40代男性はこう危惧する。「ステマと疑われることを恐れ、ネット上でのマーケティング活動全てを控える検討を始めている広告主も出てきています。早急に業界基準を設け、真っ当な広告宣伝活動とステマを区別できるようにならないと、ネット上でのマーケティング活動に対する信頼を失いかねない。業界の衰退にもつながります」

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