mixi、課金売り上げが広告を逆転へ 「ホーム」「タウン」構想加速
ミクシィが5月11日発表した2011年度(2012年3月期)の連結決算は、売上高は前年度比横ばいだったものの、営業利益が34.9%減の21億9400万円にとどまるなど、減益だった。従来型携帯電話(フィーチャーフォン)向け広告が落ち込んだ。今期は「ホーム」「タウン」構想の加速と相乗効果でユーザー数増加を図り、ソーシャルコマースの展開などで課金事業を伸ばしていく考え。課金売り上げは広告売り上げを逆転する見通しだ。
売上高は0.8%増の133億3400万円。SNS事業の柱となる広告と課金のうち、広告売上高は東日本大震災の影響やフィーチャーフォン向けの落ち込みもあり、18.2%減の79億6400万円だった。一方、「mixiアプリ」やコマースなどを含む課金売上高は58.5%増の43億6000万円に成長し、広告の落ち込みをカバー。全体では前年度比で横ばいとなった。
ただ、課金売り上げの増加に伴い決済手数料が増えたほか、人件費も増加したため減益に。経常利益は29.5%減の21億700万円、最終利益は45.8%減の7億4900万円だった。
Find Job!事業は採用が活発なWeb系人材に特化し、売上高は31.7%増の9億7900万円、セグメント利益は34.1%増の8億2500万円と好調だった。
課金売り上げ
12年度の業績予想は、売上高が145億~150億円(前年度日8.7~16.2%増)、営業利益が22億~28億円(0.3~27.6%増)など。
引き続きスマートフォンへのシフトが進む結果、フィーチャーフォン向け広告がさらに落ち込むと予想。広告売り上げは約30億円減の50億円への大幅減を覚悟する一方、コマースなどを含む課金売り上げはソーシャルコマースの伸長などで85億円への成長を見込み、広告を逆転する見通しだ。
成長しているゲームは今後有力タイトルの獲得や導線強化などを図っていく。ディー・エヌ・エー(DeNA)と共同で始めたソーシャルコマース「mixiモール」は店舗数が2000店に増え、商品数が拡大しているという。また有料サービス「mixiプレミアム」の強化に着手。「mixiが始まって間もないころからのサービスだが、ほとんど手を付けてこなかった。現在でも安定した収益はあるが、伸びしろがあるのでは」(笠原健治社長)
同社もmixiゲーム内でのコンプリートガチャ(コンプガチャ)終了を決めたが、業績にはほとんど影響がないとみている。
同社は昨年、ユーザー同士のプライベートなつながりによる「ホーム」と、パブリックでポータル的な「タウン」という2つの領域をmixi内で強化していく構想を発表。今年度もこの構想を加速させ、「ホームが伸びることでタウンの、タウンが伸びることでホームの新規ユーザーを獲得していき、両方のシナジーを強めながらmixiの最大化を図っていきたい」(笠原社長)という。現在月間ログインユーザーは1500万程度で推移しているが、「再びプラスのトレンドに持っていきたい」としている。
Facebookが株式新規公開(IPO)で調達した資金を使って日本市場で攻勢を強める可能性もあるが、笠原社長は「mixiとFacebookの違いはだんだん明らかになってきている。mixiはより狭い、プライベートで気兼ねがない内輪のコミュニケーションができるサービス、Facebookはセミオープンで社交の場のような、より公の場で会話しているのに近く、その違いはユーザーも敏感に感じ取っているのでは」とし、両サービスとも成長していけるとの認識。「ホーム」と「タウン」を持つmixiは「プライベートな場と、興味関心に基づく場の両方があるのは世界的にもユニークな存在では」とした。
NHN Japanのメッセンジャーアプリ「LINE」が急速に普及しているが、笠原社長は「コミュニケーションサービスが増えているのは歓迎すべきことだ」と話し、「LINEはチャットに近く、行われているコミュニケーションはmixiとはかなり質が違うのでは」と、ユーザーの食い合いになるとの見方には否定的だ。
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