リブセンスの村上太一社長は2月15日に開いた2012年12月期の決算会見で、今期はエンジニアを中心に30人の正社員採用を目指していることを明らかにした。開発力を高め、求人サイト「ジョブセンス」に続く新サービスのリリースを急ぐ。
同社の昨年末時点での社員数は55人。うち4割がエンジニア・デザイナー、2割がプロデューサーという、開発陣中心の構成だ。ジョブセンスに続くサービスとして、賃貸情報サイト「DOOR賃貸」や転職口コミサイト「転職会議」などを運営しており、ジョブセンス頼りからの脱却を急いでいる。
今後も年に2件ほどの新サービスリリースを見込むが、「ボトルネックをあえて挙げるなら、エンジニアやデザイナーといった人員の不足」(村上社長)。今期はキャリア採用を中心に、30人前後を採用していく方針だ。
ソーシャルゲーム業界を中心にエンジニアの獲得合戦は激しいが、「IPOによる知名度向上もあり、ゲーム以外に興味があるエンジニアは当社を志望していただける傾向にある」と村上社長。エンジニア業務紹介サイトを立ち上げるなどして社外への情報発信を強化し、採用に向けて活動していく。
同社は2月8日、コーポレートビジョンとロゴを刷新。ビジョンは「文化となるWebサービスを作る」から「あたりまえを、発明しよう」に変更。ロゴは、しずくと逆さクエスチョンマークのイメージを融合したデザインに変えた。
「リブセンスの始まりは成功報酬型のアルバイト情報サイトだったが、これからは新たな当たり前をいくつも生み出していける会社にしていきたい。わたしは今26歳で、まわりからすごいと言われることもあるが、世界を見ると(Facebook創業者の)マーク・ザッカーバーグや、(Twitter創業者の)ジャック・ドーシーなど、より高い志を持った起業家がいる。負けることなく、日本から世界に影響を与えていける企業になりたい」と村上社長は意気込む。
12年1〜12月期の決算(単体)は、売上高が前期比99.6%増の22億6400万円、営業利益が同118.0%増の11億3000万円、経常利益が同119.2%増の11億1300万円、純利益が118.3%増の5億9700万円。IPOや村上社長のテレビ出演などに伴う知名度向上で、求人掲載企業が倍近くに増加したほか、サービス価格の値上げも奏功し、大幅な増収増益となった。
今期は、求人事業でさらなる値上げによる収益性向上を図るほか、従来からの強みだったSEOだけでなく、ディスプレイ広告やリスティング広告を使ってプロモーションを強化するなどして、利用者数を増やしていく。「DOORS賃貸」や「転職会議」は、業務提携などを通じてサービス拡充を図る。
今期の業績予想は、売上高が前期比46.1%増の33億7000億円、営業利益が33.5%増の15億1000万円、経常利益が35.6%増の15億1000万円、純利益が39.7%増の8億3500万円。
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