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au版iPhoneのカバーエリア誤記「あまりに情けない」 KDDI田中社長

» 2013年04月30日 20時51分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 「あまりに情けない」――KDDIの田中孝司社長は4月30日に開いた決算会見で、iPhone 5用LTEのカバーエリアについて、カタログや公式サイトに誤記があったことについてこう話し、エリアの考え方について改めて説明した。

画像 Android用LTEの実人口カバー率(決算資料より)

 auのカタログとWebサイトで昨年末ごろまで、4G LTEの実人口カバー率を「2013年3月末に96%に拡大予定」と表記し、その対象端末にiPhone 5が含まれると誤って記載していた。実際には3月末までに96%に拡大したのは、Android用の800MHz帯、1.5GHz帯のエリア。iPhone 5専用の2.1GHz帯の人口カバー率は公表しておらず、同社は1月までに記載を修正していた。

 田中社長は、「これからの端末は、ベースバンド(800MHz)と2GHzのハイブリッドになっていくため、キャパシティは(両帯域で)相互に補完という形になる」と補足。「無線ネットワークはキャパシティをユーザーでシェアすることになるので、トラフィックがあまり発生しない場所は、3Gでも十分な速度を確保できる」と話す。

 同社は、800MHz帯をベースバンドとして広いエリアをカバーし、2.1GHz帯LTEはトラフィックが集中するエリアで重点的に整備する方針でエリア拡大を進めてきた。2.1GHzのカバー率は、2.1GHz帯をベースバンドにしている他社との差が大きいようで、「接続率の比較軸になることを少し恐れている」ため公表を控えているという。

 4月中旬〜下旬には、iPhone/iPadのメール送受信障害と、4G LTEの障害が相次いで発生した。田中社長は会見の冒頭でユーザーに改めて謝罪。「抜本的な改善を進め、経営の最重要課題として信頼回復に努めたい」と述べた。

 また、iPhone 5やiPadの販売の勢いについては「日本市場では、衰えは特に現れていないという認識」という。

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