「ネットの支援を受け、自分が欲しいものをつくる」――市場調査に頼らない“1人文具メーカー”の挑戦(1/2 ページ)
サイズを自由に変えられるブックカバーや、文具好き仲間とネット上で意見交換しながら開発したペンケースなど、独創的な商品を1人で開発・商品化する“1人文具メーカー”という「Beahouse」。新作の「立つノートカバー」はクラウドファンディングで量産化の資金を集めるなど、ネットも大いに活用。アイデア出しから設計まで、1人で手がける阿部ダイキさんに話を聞いた。
6月下旬に都内で開かれた「国際文具・紙製品展」。Beahouseが出展したブースには「立つノートカバー」があった。ポリプロピレンで作られたシンプルなノートカバーは、180度広げると中央部から“脚”を引き出すことができる。「何これノートを置く台?」「あっ、折りたたんでカバーになるんだ」。身近な商品の意外な進化に立ち止まる人が絶えない。
「僕がサラリーマンをやっていたころ、こういうのがあれば便利だなと思ってたんです」(阿部さん)。商談や会議で話した内容をあとからPCに打ち込む際、机に広げると目線の移動が多くて疲れてしまう。PCのサブディスプレイのように横に置けたら便利なのに――。デスクに書見台を置いてみたが、使わない時は邪魔だった。だったら、ノートカバー自体に脚を付けて立たせればよいのでは? それがきっかけだった。
構想から完成まで1年をかけた。ノートカバー本来としての使い心地を追求しつつ、強度があり見栄えもよい脚を作るため、使用する素材の選定や組み立て部分の設計にかなりの時間を費やした。「ほら、曲線と直線のバランスが絶妙じゃないですか? この無駄のない美しいデザインにたどり着くのが大変だったんです」と阿部さんは顔を輝かせる。
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