ITmedia NEWS > 社会とIT >

ドコモ版iPhoneの強みは「総合力」――加藤社長「本当の戦いはこれから」

» 2013年09月20日 15時20分 公開
[山崎春奈,ITmedia]
photo 加藤薫社長

 米Appleの「iPhone 5s」「iPhone 5c」が9月20日に日本国内で発売された。今回初めてiPhone販売に踏み切ったNTTドコモの加藤薫社長は「国内3キャリアでは最後発となるが、高品質なネットワークを一番の武器に総合力で選んでもらいたい」と自信を見せた。

 ドコモ版iPhoneの強みは「高品質なネットワーク」――加藤社長は、発売イベント後の会見でこう説明した。Xi通信の基地局は2013年度末までに約5万局を目指し、12年度末の約2万4400局から倍増させる。LTE用の周波数帯も、従来の2GHz帯と800MHz帯に加え、新たに1.7GHz帯を導入する計画だ。

photo 新たに1.7GHz帯を導入

 「速く安定した通信を追求していくのはキャリアとしての使命。トラフィックは“生き物”なので、常に状況を見ながら品質向上の努力をたゆまず続けていく。『ドコモのネットワークは最高』とお客様に実感してもらえるはず」(加藤社長)

 ドコモのiPhoneは、同社の独自サービスを利用できるのも特徴の1つ。spモードメールには10月1日から対応し、「dアニメストア」「dビデオ」などのコンテンツ配信サービスも10月以降順次提供していく。

 同社がこれまで「土管化は避けたい」と避け続けてきたiPhoneの取り扱い。初めて販売に踏み切った目的として、加藤社長は「基本に立ち戻り、お客様それぞれが自分にあった機種を探す選択肢を充実させること」を挙げる。具体的な販売目標数やキャリア内での目標シェアについては明言しなかったが、期初に発表した事業計画にはiPhone販売が盛り込まれておらず、今後ユーザーの動向を見ながら修正する可能性はあるとした。

 「まずは『本当にみなさんお待たせしました』という気持ち。新規契約や乗り換えユーザー向け施策はもちろんだが、機種変更でも“実質0円”となるプランを提供するなど、長くご愛用いただいている方に還元したい。無事発売日を迎え、たくさんの方に喜んでもらえて安心しているが、本当の戦いはこれから。端末、ネットワーク、そしてサービス、この3つを合わせた真の総合力で、iPhone導入最後発のビハインドを挽回していく」(加藤社長)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.