来年4月に新社会人になる学生で、内定者同士がFacebookグループで連絡を取り合うケースは多いようだ。ただ、情報の公開範囲には注意が必要。10月2日現在、数十の企業の内定者グループについて、メンバー一覧が誰でも閲覧可能な状態になっており、一部上場の大企業も複数含まれている。
その多くは内定者が管理しているグループで、公開範囲は「非公開」に設定されている。Facebookグループは、「非公開」設定でもグループ名やメンバーリストが外部に公開されてしまう仕様のため、内定者リストを意図せず公開してしまっている人も多そうだ。
Facebookグループの公開範囲は「公開」「非公開」「秘密」の3段階ある。公開は、グループ名やメンバーリスト、グループ内の投稿すべてが公開される仕様だ。もちろん、Facebook内の検索でグループ名は表示されるし、ユーザーページの「おすすめのグループ」にグループ名が表示されることもある。
ややこしいのが「非公開」だ。非公開と聞くと、あらゆる情報が非公開になっているように思うが実は、グループ名やメンバー一覧、グループの説明などは公開され、誰でも閲覧できてしまう。Facebook内の検索にもひっかかるし、おすすめのグループに表示されることもある。
では何が非公開かというと、グループのウォールに投稿された内容だ。非公開グループの場合、投稿内容は、メンバー以外は閲覧できない。逆に言うと、投稿された内容以外は誰でも閲覧できてしまうのが非公開グループだ。
一方「秘密」のグループは、グループ名もメンバーリストも第三者に公開されず、検索にもひっかからないため、第三者には知られずに運用できる。内定者リストのように、ネット公開すべきでない情報を含むグループの場合は、「秘密」に設定するのがいいだろう。
グループの公開範囲については、Facebookのヘルプに詳しい。
- | 公開 | 非公開 | 秘密 |
---|---|---|---|
グループ名と参加メンバーの公開範囲 | すべて | すべて | メンバーのみ |
グループの説明の公開範囲 | すべて | すべて | メンバーのみ |
グループでのメンバーの投稿公開範囲 | すべて | メンバーのみ | メンバーのみ |
検索でグループを見つけられる範囲 | すべて | すべて | メンバーのみ |
一般的に、個人向けの無料ネットサービスを業務関連で利用する場合は、情報の公開範囲に用心したほうがいいだろう。
今年7月には、Googleが提供する掲示板/メーリングリストサービス「Googleグループ」で、環境省が機密情報を誰でも見られる状態で共有していたことが分かり、省内の規定違反に当たるとして問題になったことも。
特に米国発のサービスの場合、デフォルトで公開範囲が広めに設定されていたり、公開設定の訳語が分かりづらかったりするケースもあるため、まずはテスト運用して公開範囲を確認するなど、十分な注意を払う必要がありそうだ。
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