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病院内を自動走行、薬を届けるロボット パナソニック「ホスピー」

» 2013年10月24日 18時22分 公開
[ITmedia]

 パナソニックは10月24日、地図情報を基に病院内を自動走行し、薬剤や検体を搬送する病院内自動搬送ロボット「HOSIPI」(ホスピー)を、10月に発売すると発表した。薬剤の検体や搬送に看護師の手をわずらわせる必要がなく、病院運営を効率化できるとしている。

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 目的地を指定すると、事前に入力された病院建物の地図情報を基に適切な走行経路を自分で計画・走行する。途中で患者や車椅子などに遭遇しても、障害物検知センサーシステムにより安全に回避できるという。自動ロック扉付きで、IDカードで解錠できる。

 従来の自動搬送装置は、走行経路を決めるために床面にテープなどでガイドを設置する必要があったが、HOSPIは地図情報と環境認識で自動走行できるため、ガイドは不要。導入費用低減や導入工期の短縮が可能としている。エレベータの自動呼び出し・乗降機能も備えた。

 安定した姿勢で搬送するため液体の泡立ちを少なく抑えられ、一般薬品に加え、血液検体、尿検体なども搬送できるという。院内LANを活用した運行監視システムを備えるほか、オプションのカメラを搭載すれば、走行中の様子を確認できる。サイズは630(幅)×725(奥行き)×1386(高さ)ミリ、重さは約170キロ。

 病院内で薬剤や検体の搬送は24時間365日発生し、看護師や検査技師が行うと本業の妨げになるため、ロボットによる搬送が検討されてきた。松下記念病院、埼玉医大国際医療センターで運用実証を行ったところ、従来の搬送機械設備より導入費用・メンテナンス費用とも抑えられ、病院の運営に大きなメリットがあることが確認できたという。

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