ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >

ソニー、通期業績見通しを下方修正 デジカメ、PCなど販売減響く

» 2013年10月31日 20時41分 公開
[ITmedia]

 ソニーは10月31日、2014年3月期(2013年度)の連結業績予想(米国会計基準)を下方修正し、売上高は前回予想から2000億円減の7兆7000億円、営業益は同600億円減の1700億円になる見通しだと発表した。市場が縮小しているビデオカメラ、デジタルカメラ、PCなどの年間販売台数見通しを下方修正するのが響く。

 ビデオカメラは前回予想から20万台減の230万台、デジタルカメラは同50万台減の1200万台、PCは40万台減の580万台へと見直す。デジタルカメラは前期の1700万台から大幅減になる。1500万台の目標を掲げていた液晶テレビも1400万台に下方修正する。

photo 主要エレクトロニクス製品の販売見通し=決算説明会資料より

 ビデオカメラとコンパクトデジタルカメラがスマートフォンへのシフトで急速に市場が縮小しており、デジタルカメラでは高級コンパクト「RX」シリーズやフルサイズミラーレス「α7」、スマートフォンとの連携を前提にした「QX」シリーズなど、高付加価値製品の強化で単価アップと収益性の改善を進める。タブレットなどとの競合が進むPCも事業環境は厳しく、早期に事業改革プランを策定・実行する。

 一方、ゲーム事業は想定通り進ちょくしており、11月に米欧で発売する「プレイステーション 4」(PS4)の早期の収益貢献を目指す。モバイル事業はXperiaシリーズが好調で、国内携帯市場シェアで初めて2位になり、損益も大幅に改善。全体としては「懸念はあるが、昨年から仕込んできた商品が出てきて、来年につながる期待感はある」(加藤優CFO)としている。

 同日発表した4〜9月期の連結決算は、売上高が前年同期比10.6%増の1兆7755億円、営業利益が51.2%減の148億円、最終損益は193億円の赤字(前期は155億円の赤字)だった。スマートフォンの好調と為替の好影響で増収となったが、ビデオカメラやデジタルカメラの減収、新興国市場の景気減速などで現地通貨ベースでは9.1%の減収にとどまった。

photo 4〜9月期のセグメント別売上高・営業益

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.