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DeNA、週刊漫画誌アプリ「マンガボックス」創刊 大手出版社と協力、新人作家育成も

» 2013年12月04日 17時43分 公開
[山崎春奈,ITmedia]
photo 「マンガボックス」トップページ

 ディー・エヌ・エー(DeNA)は12月4日、人気漫画家の描き下ろしや人気漫画のスピンオフ作品などを無料で読めるスマートフォン向け週刊漫画誌アプリ「マンガボックス」(iOS/Android)を創刊した。出版社と協力して制作したコンテンツを毎日数作品ずつ更新する。

 講談社や小学館(今冬開始)など出版社と連携しコンテンツを作成・提供。「金田一少年の事件簿」のスピンオフ描き下ろし「高遠少年の事件簿」や「進撃の巨人」の世界を舞台にした4コマ漫画「寸劇の巨人」などスタート時に28作品をそろえる。毎週水曜日に最新号が配信され、毎日3〜5作品ずつ、1週間ですべての作品が更新される。作品数は拡大する予定としつつ、量を追い求めるわけではないとした。

 最新号を含む過去12号分をアプリ上で閲覧できる。連載が進んだ作品は電子書籍や単行本形式でまとめて販売する予定。各作品の冒頭100ページ程度は、新規読者導入用に無料公開を行う。

 世界展開を視野に入れ、アプリは英語にも対応。ほぼタイムラグなく、最新話を翻訳して同形式で連載していくという。今後さらなる多言語展開も検討していく。

photo アプリ概要

 既存の作品を集約したビューアではなく「漫画雑誌」スタイルをとるのが特徴。編集長として、「金田一少年の事件簿」「神の雫」などの原作を手がけた樹林伸さんを迎え、作品制作をバックアップする編集部も始動する。

 樹林さんは「無料アプリだからこそ、気になる作品が1つでもあればダウンロードしてもらえるよう、『カラーがないのがカラー』、おもちゃ箱のような雑誌にしたい。読者の反応をダイレクトに受けながらいい意味でリスクをとり、作品の新陳代謝を高めたい。新人作家育成の場所としても可能性を感じる」と意気込んだ。

 コンテンツ作成の面で提携する講談社の古川公平取締役は「当社の編集力とDeNAのネットサービスの構築・運営ノウハウを融合させ、新しい漫画の作り方、楽しみ方を提案したい。商品化やメディアミックスはもちろん、ソーシャルゲームへの利用など、さらにビジネスチャンスを広げていければ」と期待を寄せる。

 DeNAの守安功社長は、同社の推進する「モバイル×エンターテインメント」領域の新たな挑戦としての「マンガ」と説明。無料で良質なコンテンツを届けつつ、英語を含めた多言語展開を進め、世界に向けて文化としての漫画を発信していくという。

 「『mobage』のコアユーザーである20〜30代男性に親和性が高いサービスと考えており、積極的に訴求していく。人気作品のゲーム化などの相乗効果を狙うのはもちろん、連載作品の販売という事業単体でも成立させたい。まずはヒット作を生むべく、フルスイングで努力する」(守安社長)

photo 講談社 の古川公平取締役、DeNAの守安功社長、編集長に就任した樹林伸さん(左から)

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