LINEは3月20日、未就学児向け動画配信サービス「LINE KIDS 動画」を発表した。アニメや知育コンテンツなどを1日最大40分まで無料で視聴でき、月額500円(税込)以下の定額見放題プランも用意する。近日中にiOS版、続けてAndroid版の提供を始める予定。
スマートフォン/タブレットの普及により、テレビではなくスマートデバイスで動画を視聴する子どもが増えていることに着目。暴力的・性的な映像など不適切なコンテンツを排し、長時間の依存を防ぐ仕組みも備えた「親子で安心して使えるサービス」をうたう。
一番のこだわりは、大人が見せたいものではなく子ども自身が見たいと思えるタイトルをそろえたことだという。「ドラえもん」「ポケットモンスター」「プリキュア」「仮面ライダー」など人気アニメ・特撮作品を中心に、男児向け、女児向け、懐かしの名作アニメ、知育コンテンツなど、スタート時点で28タイトル1500本以上をそろえる。今後、「しまじろうヘソカ」をはじめラインナップはさらに拡充していく予定。
無料プランでは毎日15分が自動でチャージされ、8時間毎に5分ずつゲージが回復していくソーシャルゲーム的な「タイマーシステム」を採用する。メッセージアプリと連携し、LINEでつながっている友人に「おねだり」する機能も設けた。1人とのやりとりで5分、1日最大15分まで増やすことができ、ママ友同士や家族、祖父母などと使ってほしいという。自動チャージ分と合わせ、1日最大40分まで無料試聴できる仕組みだ。
定額プランは2コースで、運営チームがセレクトする毎月300エピソードを好きなだけ楽しめる「LINEチョイス見放題プラン」が月額500円(税込)、特定のタイトルのエピソードがすべて見放題になる「番組見放題プラン」が月額400円(税込)。
保護者が子どもに安心して使わせられるよう、アプリ起動時にパスコードを設定するチャイルドロック機能や、毎日の視聴時間や閲覧履歴の記録機能も搭載している。
広告ではなく有料会員でマネタイズしていく方針。舛田淳執行役員は「子どもが使うアプリに広告を貼り、外部サイトに誘導することになるのはアプリ内での安心・安全をうたう上で本末転倒。有料会員の目標数などは設けず、当面はラインナップと使いやすさに満足してもらうことに注力する」とポリシーを述べた。
コンテンツを提供する東映アニメーションの清水慎治取締役は、「今回提供した『スマイルプリキュア!』は震災後、子どもたちに笑顔を伝えたいという思いで作り上げた作品。テレビ放送は終了しているが、改めてLINEで配信することでより広く愛されるチャンスになれば。コンテンツホルダーとして、今後あらゆる形で世界中の人に届ける方法を考えていきたい」とした。 自身も5歳の娘がいるという舛田執行役員は「動画視聴はどうしても長時間仕様につながりやすいが、時間を区切って『今日はここまで』と決めるルール作りの過程も含め、最終的に大切になるのは親子のコミュニケーションと考えている」と自らの経験も含めて話している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR