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「LINE電話」番号偽装問題で同社が釈明 「悪用は極めて困難」との説明も、残る偽装の可能性

» 2014年03月28日 19時18分 公開
[ITmedia]

 LINEは3月28日、LINEユーザー向けの格安電話アプリ「LINE電話」(Android版のみ提供中)で、電話番号の偽装が可能な問題が指摘されている点について、釈明するブログ記事を公開した。2台持ちユーザーが別の端末の番号で発信できたり、解約した番号でも発信できる点などには触れず、「第三者による電話番号なりすましや悪用は現実的には極めて困難」とのみ説明している。

 LINE電話は、LINEアプリ内から利用できる格安通話サービス。利用するには、LINEのID取得・アプリインストールが必要だ。LINEのIDを取得するにはまず、LINEアプリに電話番号を入力。すると、その番号の端末に、SMSで認証コードが届く。届いた認証コードをLINEに入力すれば、LINE/LINE電話の利用を開始できる――という流れだ。

 問題が指摘されているのは、2台持ちユーザーが、別の端末の番号でLINE電話を発信できる点だ。「端末A」「端末B」の2つの端末を持っている人が、端末BにLINEをインストールし、端末Aの電話番号を入力、端末A使ってSMS認証すると、端末BのLINE電話から発信した場合も、発信者番号通知には端末Aの番号が通知されるようになっている。

 このユーザーは、端末Aの電話番号を解約しても、その番号の次のユーザーがLINEに登録しない限り、端末Aの番号を使って端末Bから電話し続けられる。このため、悪意のあるユーザーが、解約後の電話番号を偽装し、LINE電話を犯罪行為に悪用するなどのリスクも指摘されている(関連記事:LINE電話「電話番号偽装」を試してみた━━サービス多角化でマネタイズを急ぐLINEに最良の相手とは)。

 LINEが28日に公表したブログ記事は、2台持ちユーザーの番号偽装や、解約した番号で発信できる点には触れておらず、第三者が他人の電話番号になりすます恐れがあるかどうかについてのみを解説している。

 ブログでは、(1)SMS認証されたSIMカードを別の端末に差し替えてLINEにログインした場合、元の端末では再度SMS認証しないとLINE/LINE電話が利用できなくなる、(2)他人の番号でログインしようとした場合、認証コードは本人のSMSに届くので、まったく関連のない第三者が任意の番号で偽装することはできない――と説明している。

 だが(1)の条件下でも、SIMカードを差し替えた先の端末でLINEにログインしなかった場合、元の端末でLINE/LINE電話が利用し続けられる。例えば、解約したSIMカードの番号がしばらく使われなかったり、そのSIMカードを手に入れた第三者がLINEに登録しなければ、元の利用者はその番号を偽装してLINE電話から発信できることになる。

 LINEにさらなる説明を求めるため取材したが、「担当者不在」として現在までに回答は得られなかった。

 LINEはブログで、「現段階でも悪用されるリスクは非常に低い」としながらも、「利用動向を見ながらさらなる技術的対策も検討する」とコメント。「引き続き、安心してLINE電話をご利用ください」としている。

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