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niconico「クリエイター奨励プログラム」、総支払額8億3000万円超 「これだけで食べていける人も」(2/2 ページ)

» 2014年03月31日 16時27分 公開
[山崎春奈,ITmedia]
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動画広告を導入へ

 奨励金の原資にはプレミアム会員収入の一部が当てられており、直近12カ月では約4億6500万円。決められた額を、作品ごとに配布された人気度の総計で割るという「登録作品が増えると1ポイントあたりの額が減っていく形」(伴さん)にしたのは、多くのユーザーに少しでも受け取ってもらうためだ。

 プレミアム会員の増加により原資自体も増えているとはいえ、さらに多くの還元を目指し、4月初めから動画再生前広告を導入する予定だ。ユーザーからの反発も危惧されるが、「広告を入れることで動画を見ること自体が“ウザく”なっては意味がない」(伴さん)と慎重に進めていくという。向こう1〜2年で2億円程度を奨励金の原資に加えることを目指す。

 奨励金のような運営側が間に入る間接的な還元だけでなく、ユーザー自身がファンから直接報酬を得られる有料コンテンツ「ユーザーチャンネル」も昨年12月に開始した。現在17チャンネルを展開し、総有料登録者数は約8800人。4月にはさらに加わり、年内に100チャンネル程度の開設を目指す。

一部分でもクリエイターとして関わる人が増えれば

photo プラットフォーム事業本部 本部長代行 伴龍一郎さん

 今年で3回目を迎える“ニコニコ動画のほぼすべてを地上に再現する”をコンセプトとした「ニコニコ超会議」のように、ジャンルごとに細分化・先鋭化しているniconico。全ての動きを把握しコントロールするわけではなく、個々のユーザーの参加意識を引き出すことがサービス全体の盛り上がりにつながると考えているという。「『あっちはあっちで面白そうなことやってるな』とふらふら見に行ってもらう環境を整える感覚」で、さまざま形で支援を続けていきたいという。

 「クオリティが高い動画作品が増え、制作のハードルが上がっている面もあるのではという声もあるが、視聴者の裾野は広がっていて、『やってみたい』人口は確実に増えていると思う。最初から最後まで自分でできなくても、複数のユーザーで協力しあったり、すでにあるものを利用したりできるのが動画制作の醍醐味。僕みたいなさえない男子でも曲や映像を作れるなら、かわいい女の子に歌って踊ってもらえる。一部分でもクリエイターとして関わる人口がもっと増えていけば」(伴さん)

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