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» 2014年06月25日 08時55分 公開

「リスクのない挑戦はない」 人口7万の街が“オープンデータ先進地”に 福井県鯖江市の取り組み (3/4)

[岡田有花,ITmedia]

市民の利用は「1%に満たない」が……

 外部からの評価が高まる一方で、市民のアプリ利用は進んでいないのが課題だ。福野さんが作ったアプリは、人気のものでも年間3000アクセス程度で、そのほとんどが県外のオープンデータ専門家やエンジニアによるもの。アプリ開発者が福野さん以外になかなか現れないことも課題という。

画像 牧田さん

 牧野市長は「アプリを利用している市民は1%に満たないだろう」と厳しく受け止め、デジタルデバイドの解消が課題だと話す。福野さんと市が協力し、タブレット講座やプログラミング教室教室を地域の子どもや高齢者に向けに開くなど、市民のITリテラシー向上に向けて地道な活動を始めている。

 福野さんは、「まずはオープンデータの可能性を可視化し、全国の人々に見てもらう段階」と現状を受け止める。鯖江のデータ活用をショーケースとして示せば、全国のエンジニアが自分の地域で作る際のヒントになると話す。

 市役所内にも課題があるという。「職員がまだ、“自分のこと”のように感じていない」(牧田さん)ことだ。市のオープンデータの取り組みはメディアで話題になり、認知度も高まったが、市の各部署の職員に「データを出してほしい」など依頼しても、みんな自分の仕事に忙しく、なかなか首を縦に振ってもらえないという。「徐々に変えていきたい」(牧田さん)

オープンデータを全国規模に データ標準化へ

 今後は、市内の開発者だけでなく、全国・世界の開発者がアプリを開発しやすいよう、全国規模でのデータの標準化に貢献していきたいと、福野さんは話す。

 オープンデータの取り組みは全国34の自治体に広がっているが、公開されたデータの形式はふぞろいだ。形式が標準化されていれば、ある自治体向けに開発したアプリが別の自治体でも利用できることになり、アプリの開発やビジネス化が容易になるとみている。

画像 jig.jpが発売したオープンデータプラットフォームの概要

 最も標準化されたデータ形式が「Linked-RDF」だ。ティム・バーナーズ・リーが提唱する5種類のオープンデータ形式のうち、最高レベル「5つ星」。標準的なフォーマットであるRDFでデータを記述し、データ同士をリンクさせることで、“データのWeb”を実現しようという考えから生まれた。

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