ヤフーが4月16日に開始した、軽井沢の高級別荘に1泊から宿泊できる「Yahoo!トラベル 軽井沢の別荘特集」が、5月20日に休止していたことが分かった。「物件情報提供元と行政側とで、旅館業法の解釈について見解の相違があったため」とヤフーは説明。同社の別所直哉執行役員は「Yahoo!ニュース 個人」に「旅館業法の怪」と題した記事を執筆し、行政の対応を批判している。
「Yahoo!トラベル 軽井沢の別荘特集」は、主に個人が所有する別荘を1部屋約3万〜15万円(オフシーズン)で提供するサービス。Yahoo!JAPAN IDと規定の身分証があればオンラインで予約でき、別荘管理サービス専門会社のワタベアンドカンパニーと連携し運営していた。
ヤフーによると、「ワタベアンドカンパニーに長野県の保健所からヒアリングがあり、旅館業法の解釈について見解の相違があった」という。ワタベアンドカンパニーは「法的な問題はない」と考える一方、行政側は「提供する別荘は旅館業法上の許可が必要であり、旅館業法に抵触するおそれがある」との見解。ワタベアンドカンパニーから「改めて法的な整理をするため、物件情報提供の停止の申し入れがあった」ため、サービス休止を決めたという。
旅館業法では、宿泊施設に対しフロントの設置義務などの規制がある。外国人などに空き部屋などを貸し出すサービスは、旅館業法の適用外条件を定める特区制度のもとで動き出している。
同社執行役員の別所氏は6月26日、専門家などが「Yahoo!ニュース」に記事を掲載できる「Yahoo!ニュース 個人」で、「旅館業法の怪」と題してこの問題を取り上げ、行政の対応を批判した。
記事は第三者のような視点で書かれており、自社サービスとの関連は記載されていないが、ヤフー広報室によるとこの記事は「Yahoo!トラベル 軽井沢の別荘特集」を前提に書いており、内容は同社の公式見解という。「自社サービスとの関連を特に隠すつもりはなかったが、ユーザーに不信感を与えてしまったことは反省している」としている。
ヤフーは「Yahoo!ニュース 個人」について、「さまざまな見解を持った人が意見を主張する場」であり、「ヤフー社員でも所属や氏名を公開して専門領域に関する記事を投稿する分には問題ない」と説明している。
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