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日経新聞がEvernoteに2000万ドル出資 Evernoteから電子版記事の引用が可能に(1/2 ページ)

» 2014年11月10日 16時45分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 Evernoteと日本経済新聞社は11月10日、資本・業務提携すると発表した。日経がEvernoteに2000万ドル(約23億円)を出資。Evernoteから日経電子版の関連記事を表示・引用できるようにするほか、日経電子版閲覧中に、Evernoteに保存した関連記事を表示する機能を実装する計画だ。原則、双方の有料ユーザー向けに提供し、課金ユーザー数拡大につなげる。共同で販促キャンペーンなども行い、販売面での協力も進める。

画像 Evernoteから日経電子版記事を表示した際のイメージ
画像 日経電子版からEvernote記事を表示した際のイメージ

 Contextは英語版Evernote(iOS・Mac版)で先行公開している機能で、Evernoteのノート閲覧中に、関連する自身のノートや同僚と共有している関連ノートを自動で抽出したり、パートナーメディアの関連記事を提示する。近く日本語に対応する予定。WindowsとAndroidにも対応予定だ。

 EvernoteはContextの情報提供元として、英語圏ではWall Street JournalやビジネスSNSのLinkedinなどと提携。日経は米国外のメディアとして初めての提携となる。

 来年初頭から、Evernoteで閲覧中のノートに関連する日経電子版のコンテンツを自動で表示したり、記事を保存・引用できるようにするほか、日経電子版にも、読んでいる記事に関連するノートを、ユーザー自身のEvernoteから自動で抽出・表示する機能を実装する計画。原則、Evernote・日経双方の有料ユーザーに提供する予定。Evernoteで保存・引用できる量や範囲なども検討中だ。

 電子版との連携を第1弾として、日経グループのほかのサービスとの連携も進める。新聞・雑誌記事などを有料で提供している会員制サービス「日経テレコン」では、見出しやキーワードなどの情報をワンクリックでEvernoteに保存できるようにする機能を、来年の早い段階で提供する。

画像 EvernoteのリービンCEO(左)と日経の野村常務

 Evernoteのフィル・リービンCEOは「日経は最も信頼できるビジネス・技術・財務情報を提供しているベストパートナーだ。コンテンツでも投資でも貢献してもらい、日本市場へのプロダクト改善に大きく役立っていただける」とコメント。まずは「マスターパートナーとして」日経を選んだが、日経がカバーしていない分野については、他社との提携も検討する。

 日経の野村裕知常務(デジタル事業担当)は、「Evernoteは、オフィスで働く人々にとって役立つ情報が何かを真剣に考えてきたという点で、われわれと同じ価値観を持っている。ワークスタイル変革や生産性向上などで力を合わせていく」などと話した。

 料金体系については「日経電子版はしっかりとした対価を頂くことを基本方針にしており、そこが揺らぐことはない。有料会員同士で情報がシェアするとか、本数を決めて利用できるようにするなどいろいろな考え方があるが、これから詰めたい」と述べるにとどめた。

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