これまで「身体が不自由な人を補助するもの」というイメージが強かった福祉機器。それがもしファッションアイテムのように「やばい」「かっこいい」と言われるようになったら――渋谷ヒカリエ(東京)で開催中の「2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展」(11月12〜18日)ではそんな“超福祉の世界”が展示されている。
「超福祉」とはどんなものだろう。超福祉向けの機器があふれた未来の街にはどんな変化があるのだろう。未来の渋谷を体感しに、早速現地に行ってみた。
同展のコンセプトは「2020年、超福祉が実現した渋谷の日常」。「超福祉」とは、従来の福祉のイメージを超越し、“意識のバリアフリー化”によってファッションのように親しみやすいものになった新しい福祉のことを指すという。
「福祉や福祉機器って、今はなんとなく話題にしにくいところがある。しかしこれまでのデザインや機能を超えることで、福祉機器が健常者/障害者の壁をなくし、日常生活でなにげないコミュニケーションのきっかけになるくらいポジティブなものになれば」と、同展を主催しているピープルデザイン研究所の広報担当者は話す。
会場につくと、最新の“パーソナルモビリティ”がお出迎え。まるで近未来の乗り物を見ているようで記者自身も「ヤバイ」「かっこいい」の連続だった。以下では実際に展示されていたパーソナルモビリティの数々を紹介しよう。
こちらは手で車輪を回す“ハンドバイク”の「HBJ-YE20」。もともとは事故で車いす生活を余儀なくされた人からの依頼で作ったものの、“デザイン性の高さ”や“手でこぐ感覚の新鮮さ”が評価され、今では障害の有無にかかわらず楽しめる乗り物として開発・販売されているという。試乗会を行うと子どもに大人気なのだそう。
一方これは、電動アシスト制車いすの「02GEN【Taurs】」。ファッションデザイナーの廣川玉枝さんとヤマハ発動機がコラボレーションして開発したもので、デザイン性に優れているだけでなく、ヤマハ発動機の電動アシスト技術も搭載されているという。女性にも喜ばれそうなデザインだ。
こぎやすい軽量・日常型車いすを目指したという「GWX III」も展示されている。パラリンピックなどでも使われる競技用車いすの製作も手掛けているオーエックスエンジニアリングが開発したもので、アルミ部品を用いることで「長時間乗っていても疲れない」のが特徴という。
こちらはBluetoothを内蔵し、スマートフォンアプリによる遠隔操作も可能なパーソナルモビリティ「WHILL Model A」。開発元であるWHILLは、足に障害を持つ人の「100メートル先のコンビニにいくのもあきらめる」という言葉からエンジニア仲間が集結し、起業に至った経緯もあるという。
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