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「境界のないセカイ」問題、「経緯は作者のブログにあった通り」と樹林編集長 複雑な思いをTwitterで吐露

» 2015年03月26日 10時37分 公開
[ITmedia]
画像 樹林さんのTwitterより

 「僕の書いた公式コメ、そのまま載っけるわけにはいかなかったのだろうか?」――ディー・エヌ・エー(DeNA)の漫画アプリ「マンガボックス」編集長の樹林伸氏は3月25日、「境界のないセカイ」(作・幾夜大黒堂)の連載中止を受け、マンガボックスが樹林編集長名で公表した公式コメントについて、Twitterで複雑な思いを吐露した。

 「境界のないセカイ」の連載中止は、作者の幾夜さんが15日、自らのブログで詳しい経緯とともに報告。マンガボックスは25日、樹林編集長名で連載中止を報告するコメントを発表したが、詳しい経緯には触れていなかった。

画像 マンガボックスが樹林編集長名で出した公式コメント

 樹林さんは、自ら用意していた公式コメントは「大幅に内容をカットされた」と報告。「事実関係をきちんと明らかにしつつ、いちおう、各方面に配慮して書いたつもりだったんだが、そういう部分はほぼ全ボツ」だったという。

 コメントがそのまま出せなかったのは「それによって会社組織で働いている誰かが困るということでしょう。それは好ましくない。また、守るべき作者の方に一番の迷惑が及ぶことにもなります」と釈明。コメントに書けなかった連載終了の経緯は「作者ブログにあった通り」と説明している。

 作者の幾夜さんのブログによると、連載中止の経緯は、「単行本の出版を予定していた講談社が、作品中の男女の役割の描き方について、性的マイノリティの個人・団体からのクレームを回避したい」と出版中止を決めたため。これに対し、LGBT団体「レインボー・アクション」は「作品の描写に問題はない」という声明を発表していた

 樹林さんは「大出版社にはある程度の自主規制はやむを得ない部分がありますが、慎重に検討したうえで、本当にやむを得ないケースに留めるべきであるという自戒を、この件で関係した全員が学ぶべきでしょう」とコメント。「僕やマンガボックス編集部は、幾夜大黒堂さんには、本当に力不足で申し訳なかったと思っております」と謝罪している。また、「以後この問題についてはコメントいたしません」としている。

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