知り合いなどの他人を評価して“格付け”する――カナダのネットベンチャーが11月に公開予定のスマートフォンアプリ「Peeple」が、その内容から大きな議論を巻き起こしている。「差別につながる」という猛烈な批判に対し、開発者側は真っ向から反論。状況は白熱しているようだ。
Yelpや食べログのようなレストランや店舗の格付けサービスはすでにあるが、Peepleは一般の人々を対象にしている。仕事やプライベート、恋愛など、ユーザーが出会った人々を1から5の数字で評価し、コメントを付けられるサービスだ。
共同創業者のジュリア・コードレイ氏とニコール・マカーラ氏によれば、Peepleは「相手を称賛したり建設的なコメントをするためのポジティブなサービス」だという。
しかし、英語圏のネット上では猛烈な批判が巻き起こり“炎上”状態になっている。その多くは、いじめの加害者やストーカーの“武器”になるのではないかという指摘や、人間を格付けする行為そのものへの反発だ。
Peepleの利用に当たって、ユーザーはFacebookアカウントでログインして身元を明かす必要がある。一方、名前と携帯番号を知っている相手であれば誰にでも評価やコメントを付けられるため、特定の個人に対して誹謗中傷やあからさまな低評価が寄せられる可能性はある。
米New York Timesによると、コードレイ氏のもとには殺害予告を思わせる文章まで送りつけられたという。また、同社の公式Webサイトは6日現在で接続できない状況になっている。
だがコードレイ氏は「開発プロジェクトを中止する気はなく、予定通り11月にサービスを開始する」とLinkedInで表明している。果たして同アプリは“ポジティブなサービス”として人々の前にお目見えできるだろうか。
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