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チケットストリート、2次販売チケットの「入場補償」開始 「転売の否定はファンと興行側両方にマイナス」(2/2 ページ)

» 2015年12月01日 19時12分 公開
[山崎春奈ITmedia]
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「公認2次流通」の広がりを目指して

 米国では、メジャーリーグ各球団や興行主と公式に提携する「公認2次流通」が広がりを見せており、「あるコンサート、ある試合をいくらお金を払ってでも見たいという人に応える仕組みが存在している」(山中弁護士)。

 チケットストリートも2014年にNBL(日本バスケットボールリーグ)と国内初の公認マーケットプレイスを設置した。座席位置や対戦カードなど、需要と供給に応じて価格も変動し、ファンのニーズに応えたことで、販売枚数増や空席率の低下につながったという。

 音楽プロデューサーとしても活躍するバグ・コーポレーションの山口哲一代表は「アーティストビジネスで最も大事なのはファンとの長期的なエンゲージメント。今の状態で2次流通をどんどんやってほしいとは当然思っておらず、需給のバランスと言われたところで高額の転売を許容するのは心理的に難しい」と無秩序な転売の横行には懸念を示しつつつ、「音楽業界にとってダフ屋撲滅は変わらない願いであり、デジタル化やデータベース化などテクノロジーの力で健全な流通が可能になれば新たなビジネスにはつながるのでは」と展望を話す。

photo 西山圭社長

 同社は今後、主催者公認で2次流通できる仕組みをさらに広げるべく、音楽や演劇に携わる各社と対話を続けていきたいという。「海外では健全な流通プラットフォームを作ることで観客動員数が増えている傾向が確実にある。サービスとして真摯に取り組み、信頼・共存できるマーケットを作っていきたい」(西山社長)。

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