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hideさんの音声合成はエーアイ製、故人の音声合成にも意欲

» 2016年02月16日 11時16分 公開
[松尾公也ITmedia]

 エーアイは2月16日、故hideさんがスマートフォン上で会話をする「しゃべってコンシェル」で使われた音声合成技術が予想通り同社のAITalkであることを明らかにした。

photo hello hide!キャンペーンサイト

 同社は故人や、現在収録が困難な方の既に存在する音声から音声合成を可能にする取り組みを行っており、hideさんの取り組みも、その一環だという。

 エーアイによれば、誰の声でも音声合成用の辞書(データベース)が作成できることがAITalkの特徴の1つで、独自の技術によりhideさんのオフショット映像やインタビューなどの膨大な音声データを音素単位に分解し、データベース化することで音声合成用辞書を作成し、本人の声を再現できた。

 AITalkの技術である音素単位に分解し、イントネーションに合わせて再結合させる手法を故人や既に声を失った方など、指定文の収録が困難な方の大量の音声データを用いて行っており、公表できる事例としてはhideさんのものが最初になるが、既に実績はあるという。

 同社が現在提供している法人向け音声合成辞書作成サービスでは、205もしくは676の文章を読み上げたものを収録し、そこから辞書を作成する。個人向けには205文章の読み上げで、価格は50万円から。

 エーアイによれば、hideさんのように、指定文章以外でのデータから音声合成辞書を作成するサービスの可能性もあるという。故人の声と対話するだけでなく、収録の機会がないまま声を失ってしまった方が利用できるチャンスもありそうだ。

photo AITalk Custom Voice
photo AITalk あなたの声

 AITalkの音声合成技術は、AHSの読み上げアプリ「VOICEROID」シリーズ、しゃべってコンシェルのキャラクターボイス、マツコロイドの音声、ロボットPepperの音声などでも使われており、関西弁などの方言や、感情表現などの機能改善も最近では行われている。

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