スマートフォンやタブレットのメインプロセッサは、ほとんどがARMのアーキテクチャだ。そのARMが、グラフィックチップメーカーのNVIDIAやSamsung、Texus Instrumentsと協力して、現在最新のゲームコンソールをポケットの中に詰め込もうとしている。米ニュースサイトVentureBeatが伝えている。
ソニー・コンピュータエンタテインメントのPlayStation 4(PS4)とMicrosoftのXbox Oneは、いずれも2013年11月に発売された。2年以上前になるが、現在最新であることは間違いない。PS4のグラフィック性能は1.84テラFLOPS(TFLOPS)、Xbox Oneのグラフィック性能は理論値で1.31TFLOPSとされている。その性能を、2017年第4四半期、つまりこの2つのゲームコンソール発売から丸4年後には、スマートフォンやタブレットが実現してしまう。すでに現在、ハイエンドのスマートフォンやタブレットは、前モデルであるPlayStation 3やXbox 360の性能を超えているという。
ARMのエコシステム・ディレクターであるニザール・ロムダン氏は、端末の高性能グラフィックは300億ドル(約3兆4千億円)のモバイルゲーム市場を拡大する、しかしそれ以上に、モバイルVR(仮想現実)市場を創り出す原動力となる、と述べる。デスクトップを含めたVRとAR(拡張現実)市場は、いずれ800億ドル(約9兆円)に及ぶという予測もある。
なお、世界最初のスーパーコンピュータである1978年のCRAY-1の性能は、160メガFLOPSといわれている。PS4、Xbox Oneの1.3〜1.8TFLOPSは、1997年当時の最新鋭スーパーコンピュータ(4510個のPentium Proプロセッサを並列使用)に匹敵する。ARMの試みが成功すれば、ちょうど20年前のスーパーコンピュータがポケットに入ってしまうことになる。
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