東海大学の研究グループはこのほど、ミズクラゲのコラーゲンが皮膚の再生を促進することを発見したと発表した。これまで一般的に使われてきたブタやウシのコラーゲンと比較して再生効果が高く、低コスト化も期待できるという。
同グループは、ブタコラーゲンにミズクラゲコラーゲンを40〜60%配合し、人工的に真皮を作製。動物実験の結果では、ブタコラーゲンだけの場合に比べ、倍以上の速さで皮膚を再生できたという。
ミズクラゲのコラーゲンは、水溶性で形状保持ができないため、そのままの利用は難しいとされてきた。ブタコラーゲンと配合したスポンジとフィルムを重ね合わせることで人工真皮を作製する技術を新たに開発し、実証につなげた。
従来品のウシやブタのコラーゲンと違い、BSE(狂牛病)といった人畜共通感染症のリスクがなく、漁業者が廃棄するクラゲを活用するため、コストも低く抑えられるという。
成果は、第15回日本再生医療学会総会(3月19日、大阪国際会議場)で発表される。
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