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遺伝子操作で恐竜の脚を持つジュラシック・チキン襲来?

» 2016年03月25日 18時09分 公開
[大村奈都ITmedia]

 科学雑誌Discoverのブログが3月15日付で伝えるところによると、チリ大学の研究チームがニワトリの受精卵に遺伝子操作を加え、恐竜の脚を持つ胚を作り出したという。

photo Discover誌のブログ

 陸上脊椎動物の膝から下は、2本の骨で構成されている。そのうちの1本である腓骨(ひこつ)は、鳥類では途中で成長を止め、膝の側にくっついたまま宙ぶらりんになっている。空を飛ぶことに特化した鳥類では、体重を支えるための丈夫な腓骨は必要なくなったからだ。

 研究チームがニワトリの受精卵に対して、すべての動物に共通するIndian Hedgehog Homolog(IHH)という遺伝子を操作して、脚の成熟を阻害したところ、途中で成長を止めるはずの腓骨は逆に発達して、足首の関節にくっついたという。つまり、恐竜が持っていた脚の形に先祖返りした。ただ残念ながら、今回の実験に使われた胚は孵化しなかった。

 鳥類はそもそも、獣脚類の肉食恐竜にそっくりだ。ローストチキン用に羽毛をむしった丸鶏を買ってきて、脚を伸ばしてみれば、ティラノザウルスのミニチュア復元モデルかと思ってしまう。細かく見れば前述の腓骨や、特に胸骨の形が違うのだが、そうした違いを遺伝子操作で「修正」していけば、羽毛恐竜が再現されるかもしれない。

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