情報化社会の到来を予言した「第三の波」などの著書で知られる未来学者のアルビン・トフラー氏が6月27日、米ロサンゼルスの自宅で死去した。87歳だった。同氏が共同設立したコンサルティング会社Toffler Associatesが発表した。
1928年ニューヨーク生まれ。溶接工として工場で働いた後、新聞記者を経て60年代に著述業に転じた。
80年に出版した「第三の波」では農業革命、産業革命に続く「第三の波」として「情報革命」の到来を予言。90年の「パワーシフト」では、“力”が財力や権力から情報を持つ者に移るとし、06年の「富の未来」では、ITの発達に伴い、金銭を介さないボランティアなどが金銭経済と同等以上の規模にふくらむなどと展望した。
主要な著作は日本でもベストセラーとなり、日本のIT業界人にも大きな影響を与えた。「初音ミク」で知られるクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之社長は、トフラーの著作から影響を受けたことを公言しており、同社が運営するCGM型VOCALOID楽曲レーベル「KARENT」の名は、若くして亡くなったトフラーの娘、Karen Tofflerに由来している。
紀伊国屋書店新宿本店は、トフラーの著書について「本日時点で全て入手不能でした」とツイートしており、どの著書も絶版になっているようだ。Amazon.co.jpでもトフラーの著書の新本の扱いはなく、マーケットプレイスでのみ販売されている。
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