大きな広告看板のことを「ビルボード」と呼びます。それをさらに大きくし、ビルの壁面を丸ごと覆うようなものを「ビルラッピング」とも呼ぶのをご存知でしょうか。今回は、ビルを丸ごとラッピングするほどの巨大広告の印刷と、海外で見つけたビルラッピングのちょっと違った使い方などを紹介したいと思います。
やはり人口世界一(13億人)の中国は看板も大きいです。北京や上海、大連などの都市を歩いていても、印刷された看板のサイズには目を見張るものが多いです。横幅20メートル、高さ10メートルの看板が多く見られるほか、ビル一棟が丸ごと映像ビジョンになっている大迫力なものも存在します。
のぼり旗のサイズも7メートルを超えるものもあり、日本では考えられない高さです。これは2階建ての家の屋根の高さに相当し、ただ地面に「置く」という感覚ではなさそうですね。
ただ、このような巨大印刷物は、最初から巨大な姿で生まれるわけではありません。巨大印刷物の印刷幅は5メートルが最大。つまり、幅5メートルで印刷したものをつなぎ合わせて、1枚の大きな広告幕を作っているのです。
しかし、横幅が何十メートルにもおよぶ看板の印刷に用いるのに、なぜ印刷幅は最大5メートルなのでしょう。それは、印刷する素材の最大幅が5メートルのロール素材(巻物)だからです。しかも最近では、この巨大広告に使う印刷素材の主流は3.2メートルや1.3メートル程度に狭くなってきています。
なぜ印刷素材の幅が狭くなってきているのか――それは、素材製造と、何より運搬が大変だからです。海外で見かける巨大広告は、コストや効率性を考慮しながら作られていることが分かりますね。
日本でも最近、「痛車」のようなカーラッピングや「トレインラッピング」と呼ばれる電車の車体広告を見かけることが多くなってきました。しかし、先ほど紹介したビルラッピングは日本ではあまり見られません。
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