ITmedia NEWS > STUDIO >

Amazon「Prime Music」1年で利用者100万人に その強みは――「購入履歴」

» 2016年11月18日 00時10分 公開
[片渕陽平ITmedia]

 「膨大な楽曲数ではなく、会員の好みにフォーカスしている」――アマゾンジャパンは11月17日、提供開始から1年を迎える会員向け音楽配信サービス「Prime Music」の取り組みについて説明した。Apple MusicやSpotifyなど数千万曲を提供する競合サービスに対し、Prime Musicは会員が好む曲を取りそろえることに注力。あくまでプライム会員が利用できるサービスの1つとして、会員全体の増加につなげる狙いだ。

photo 100万以上の楽曲が聴き放題

 Prime Musicは、100万以上の楽曲が聴き放題になる「Amazonプライム会員」向けのサービス。2014年6月に米国で提供を始め、15年11月に日本でもスタート。「お急ぎ便」「お届け日時指定便」や、動画見放題の「Prime Video」などと同様、会員の年会費(3900円、税込)に追加料金なしで利用できるのが特徴だ。

 サービス提供から1年間で、100万人以上のプライム会員が利用。月間平均再生時間は2倍以上(15年11月時点と16年10月時点を比較)に増えたという。

Amazon会員の購入履歴を参考に「好まれる楽曲」用意 日本で人気なのは……

 日本国内の音楽配信サービス市場は、直近2年間で競争が激化している。15年7月にはApple Music(提供曲数は約3000万曲)、同年9月にはGoogle Play Music(約3500万曲)が相次いで参入。16年9月には「世界で4000万人の有料会員を抱える」という最大手のSpotify(4000万曲以上)が日本に上陸した。

 曲数だけを比べると見劣りするように見えるが、アマゾンジャパンのポール山本デジタル音楽事業本部長は「楽曲の数ではなく、会員が好む曲を集められるかどうかにフォーカスしている」と話す。

 Prime Musicは開始当初から、Amazon.co.jpが抱える膨大な会員の商品購入履歴などを参考に、好まれる楽曲のラインアップを整えてきたという。「ヘビーに音楽を楽しむ人には注力せず、気軽に聴く人をターゲットに考えてきた。利用者の大半は、CDをしばらく買っていないという人たちだ」(山本本部長)。

 さらに「日本のユーザーには、アニメやゲームの音楽、演歌などがよく好まれる」とも山本本部長は分析。「プライム会員の志向を追及し、より好まれるコンテンツの拡充に努める」としている。

photo アマゾンジャパンのポール山本デジタル音楽事業本部長

お詫びと訂正

初出時、プライム会員が「年会費に追加料金なしで利用できるサービス」の一例として「Prime now」を挙げておりましたが、注文から1時間以内の配送を希望する場合は、890円の追加料金が発生します。お詫びして訂正いたします。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.