映画「シン・ゴジラ」と言えば、撮影にiPhoneが使われていることや編集でAdobe Premiere Pro CCが使われたことでも話題になった。わざと違うカメラで撮影し、バラバラの画調でストーリーを進行させることで“リアリティ”を追求。それに関連し、幅広い動画形式に対応する編集ソフトであるPremiere Pro CCが採用された。
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ところが、Adobeがそれを知ったのは映画完成後だったという。そのため、シン・ゴジラのエンドロールにAdobeのクレジットが入ることはなかった。
……それから数カ月。10月31〜11月4日(米国時間)にカリフォルニア州サンディエゴで「Adobe MAX」というイベントが開催された。筆者はそこに招待されたのだが、ある日、Adobeからのプレゼントが部屋に届けられていた。袋を開けてみると……?
中に入っていたのは、入浴剤やアイマスク、レトルトのお味噌汁など、日本のアドビ社員からの心づかいだった。その中に、あれ……? こ、これは……!
ゴジラのフェイスパックが息をひそめていた。Adobeの逆襲だ。ごくり……。
ホテルの一室で、ガジェット系YouTuberとしておなじみのドリキンさんに撮影をお願いし、Adobeの期待に応えるべく挑戦してみた。カメラはパナソニックのLUMIX DMC-GH4とiPhone 5C。Premiere Pro CCの「Lumetri カラー」を使って画のトーンをそろえ、音楽素材提供サイト「Music-Note.jp」からゴジラっぽい音素材を持ってきた。いざ書き出し。
カメラはバラバラ、画調も合わず……Premiere Pro CCで編集したシンセイ・ゴジラは誕生したものの、当然のことながらあの「シン・ゴジラ」とはほど遠い作品となった。このあと肌がつるつるになったのは言うまでもない。ゴジラになったこの日が11月3日だったのは、何かの偶然だろう。
(太田智美)
小学3年生より国立音楽大学附属小学校に編入。小・中・高とピアノを専攻し、大学では音楽学と音楽教育(教員免許取得)を専攻し卒業。その後、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科に入学。人と人とのコミュニケーションで発生するイベントに対して偶然性の音楽を生成するアルゴリズム「おところりん」を生み出し修了した。
大学院を修了後、2011年にアイティメディアに入社。営業配属を経て、2012年より@IT統括部に所属し、技術者コミュニティ支援やイベント運営・記事執筆などに携わり、2014年4月から2016年3月までねとらぼ編集部に所属。2016年4月よりITmedia ニュースに配属。プライベートでは2014年11月から、ロボット「Pepper」と生活を共にし、ロボットパートナーとして活動している。2016年4月21日にヒトとロボットの音楽ユニット「mirai capsule」を結成。
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