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仮想世界でモモに会える「PostPetVR」出資者募集 「スマホ版ポストペット」への布石

» 2016年11月24日 15時55分 公開
[山口恵祐ITmedia]

 ペットワークスは11月24日、ソニーネットワークコミュニケーションズ(So-net)が提供していたメールソフト「PostPet」(ポストペット)の20周年を記念し、VR対応ゲーム「PostPetVR」の開発費用を募るクラウドファンディングを開始した。目標額は360万円で、期間は2017年1月31日まで。PostPetのiOS/Android版アプリ開発も目指す。

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 PostPetVRは、PostPetに登場するキャラクターたちが住む家を再現したVRゲーム。ユーザーは紙袋をかぶったキャラクター「アンノウン」となり、VR空間でペットたちに「おやつをあげたり、なでたり、抱っこしたり、抱っこされたり、洗ったり」できるという。対応プラットフォームは「HTC Vive」および「Oculus Rift CV1」で、「PlayStation VR」は今のところ開発予定なし。

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photo PostPetV3のペット。限定数50で、ユーザーのペットデータをPostPetVRに移植し「VR空間内で、自分のペットと会える」特典も用意する予定

本当の狙いは「スマホ版PostPet」

 同社の八谷和彦取締役は、クラウドファンディングのページで「本当に作りたいアプリは『スマホ版PostPet』」と表明している。今回のPostPetVRは、スマホ版PostPetのニーズを探るテストマーケティングも兼ねており、サーバが維持できるほどユーザーがいるか見極めるのが目的だという。クラウドファンディングで目標額以上の金額が集まった場合は、スマホ版PostPetの開発費用に充てられる。

photo iPhoneで動作する試作品のPostPetアプリ
photo 「PostPet for iOS & Android」は「PostPetVR」との連携も想定

 スマホ版PostPet「PostPet for iOS & Android」は、2010年に開発していたTwitterクライアント「PostPetNow」の技術をベースに開発される。PostPetNowはTwitterのダイレクトメッセージをPostPet上で行えるソフトで、macOS上で動作するところまで開発されていたものの、Twitter側の仕様変更などにより、採算が取れる見込みがないことから開発を中止したという。

photo 開発中止となった「PostPetNow」の画面

 開発元のペットワークスは、PostPetの開発メンバーによって設立された会社。PostPetの原案から「PostPetDX」「PostPet2001」「ポケットPostPet」「PostPet Kids」「PostPetV3」といったアプリケーション開発までを一貫して手掛けてきた。今回のVRゲームもSo-netの正式ライセンス承認のもと、インディーズアプリとしてリリースする。

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photo 「PostPetDX」のパッケージ

 「生みの親(たち)として、ユーザーさんたちと共にこの20周年イベントを盛り上げたい、というのがこの企画の発端です。仮に今回のクラウドファンディングが目標額まで集まらなかった場合においても、ぼくらは『PostPetVR(β版)』の開発は、自分たちの負担で必ず行います」(八谷取締役)。

 So-netも、PostPetが17年1月に20周年を迎えることを記念したアニバーサリープロジェクトを展開。キャラクターカフェや有名人とのコラボ、キャラクターグッズやLINEスタンプの発売などを発表している。

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