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世界最大の「mstdn.jp」を立ち上げた大学院生“ぬるかるさん”は一体何者か その素顔とドワンゴ入社が決まるまでの10日間に迫る(4/7 ページ)

» 2017年04月24日 08時00分 公開
[山口恵祐ITmedia]

──ドワンゴではどんな話を?(話せる範囲で)

ぬるかる 面接では「mstdn.jpはどんなインフラでやっているのか」という話から、「今うちでは、ドワンゴのインスタンス立ててやろうとしてるんだけど(当時はfriends.nicoが公開される前)、それとどうする?」といった話をしました。

 friends.nicoはニコニコとして独自色を出していくものになるだろうし、並列は可能だろう。存続させたほうがいいんじゃないか」と言ったら意見を尊重してくれて、存続させる方向性にまとまりました。

photo ドワンゴが運営しているfriends.nicoは、niconicoアカウントとの連携機能など独自機能が実装されている

→・niconicoと連携したMastodonインスタンス「friends.nico」登場 かなり改造

──mstdn.jpがfriends.nicoと統合されるのではという心配の声もありましたが。

ぬるかる 現時点でfriends.nicoはいろいろ改造されています。そういうことはそちらで、mstdn.jpはなるべくプレーンな安定運用でやっていこうという話になっているので安心しています。未来になってみないと分からないので100%という保証はできませんが、天変地異が起こらない限りはないというレベルで、統合はありません。

──突然の就職で不安はありますか?

ぬるかる 正直、僕はサーバを設置して設定した程度です。インフラはさくらさんがけつをもってくれたし、今はぜいたくなサーバ環境でインスタンスを扱えている。ドワンゴに就職したところで、「実は技術力はありませんでした」となるのが怖くて、失望されてしまうんじゃないかってすごく不安です。サポートやフォローは就職後にやってくれそうな話ではありますが……。

──ドワンゴは決して「mstdn.jp」ドメインが欲しいから、ぬるかるさんを採用したわけではなく、先見性や可能性を信じて採用したと私は思っています。今後はドワンゴでどんなことをやってみたいですか?

ぬるかる 学生時代に作りかけたものを会社でもやってみたいです。大学3年のときに「COJT」という好きなWebアプリを作る授業がありました。1カ月ぐらいかけてWebブラウザ上でシンセサイザーを動かすものを作っていましたが、自分が期限ギリギリまでフロントエンドを作っていたので、もう1人が担当していたバックエンドは張りぼてになってしまった。ドワンゴでマストドンが一段落したら、手を付けてみたいなと思っています。

photo 大学時代に作りかけた、Webブラウザ上で使えるシンセサイザーアプリ

 そのようなことができる期待も込めてドワンゴさんを選びました。万が一、マストドンブームが去ってやることがなくなっても、別のところで動けるように策は練ってます。

──ニコニコ超会議で“マスト丼”を作らされるなんてことはない?

ぬるかる 5月8日が出社初日なので、もし行くならプライベートになると思います(笑)。

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