LINEは7月26日、オンラインデリバリーサービス「LINEデリマ」の提供を開始した。宅配デリバリーサイト「出前館」と連携し、LINEアプリから約1万4000店舗のフードメニューを注文できる。将来は、日用雑貨や生鮮食品、医薬品などの宅配にも対応することを視野に入れている。
LINEデリマはメッセンジャーアプリ「LINE」のほか、スマホやPC(後日対応予定)のWebブラウザからアクセスして、LINEアカウントと連携することで利用できる。アプリでは位置情報にもとづく店舗検索のほか、公式アカウントをLINEの友だちとして登録すると、トーク画面での自動チャットを通じて店舗を探すこともできる。
LINEデリマを介して注文すると、店舗ごとに定められたレートで「LINEポイント」がたまる(「酒のカクヤス」の注文分を除く)。最低注文金額や支払い方法は店舗によって異なり、一部店舗ではLINEポイントを「1ポイント=1円」で使うこともできる。
LINEデリマは、LINEアプリでさまざまなサービスを利用できるようにする「スマートポータル」戦略の一環として登場する。
LINEのフードデリバリーサービスというと、2014年11月に開始し、約1年で終了した「LINE WOW」が過去にあった。出澤剛社長によると、LINE WOWは「可能性を見いだせた」が、自社単独で迅速に全国展開することは困難だと判断し、いったんサービスを終了したという。
その後、LINEは2016年5月に出前館を運営する夢の街創造委員会(大阪市)と業務提携を結び、7月にはLINEデリマの前身となる「出前館 on LINE」が生まれた。出前館 on LINEを経由した注文では、通常の出前と比較して女性比率が有意に高かったという。夢の街創造委員会としても、新たな顧客層の開拓につながった。
2016年10月には両社は資本提携を締結し、LINEを使ったオンラインデリバリーサービス構築を目指すことになった。その成果の1つが、LINEデリマということになる。
始まったばかりのLINEデリマだが、ユーザー属性や購入履歴のデータに基づく「お勧めの商品」をLINEトークとしてプッシュ通知する機能や、位置情報を使って住所が不明確な場所にも商品を届ける機能の実装を検討している。
また、夢の街創造委員会が本格展開の準備を進めている「シェアリングデリバリー」(新聞配達店や中小の配送業者を活用して複数の店舗から商品を回収して配達するサービス)を活用することを念頭に、食べ物だけではなく日用雑貨や生鮮食品、医薬品などをまとめて届けるサービスも検討している。
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