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“ホリエモンロケット”宇宙に届かなかった理由は? 報告書公開

» 2017年08月31日 12時08分 公開
[ITmedia]

 北海道のロケット開発ベンチャー・インターステラテクノロジズが開発した観測ロケット「MOMO」初号機の打ち上げ実験が7月30日に行われた。MOMOは正常に離昇したが、飛翔中にデータ通信が途絶えたため、地上からエンジン停止コマンドを送信して海に落下した。同社は8月30日、この実験の報告書を公開。データ通信が途絶えたのは、機体内部の電子装置の電源が喪失したことが理由だと推測している。

画像 MOMOはクラウドファンディングで支援を募っていた

 インターステラテクノロジズは、堀江貴文さんが創業したロケット開発ベンチャーで、MOMOは「ホリエモンロケット」とも呼ばれる。7月30日の実験は、エンジンを120秒間燃焼させ、100キロ以上の宇宙空間まで飛翔する計画で、日本の民間企業が単独でロケットを発射する初の試みとして注目を浴びた。

 ロケットは30日午後4時過ぎに打ち上げられ、正常に離昇。66秒間飛行したが、その後、ロケットからのデータ受信が途絶えたため、地上からエンジン停止コマンドを送信し、海上に落下した。最高高度は20キロ弱、落下位置は射点から約4〜8キロと推定している。

 通信が途絶えた詳しい理由は解析中だが、「機体の不具合により、機体内部電子装置の電源が喪失したと推測される」という。MOMOは電源喪失時など異常時には自動的にエンジン停止機能が働くため、「地上からのエンジン停止コマンドに関わらず、離昇後66秒でエンジンは安全に停止されたと考えられる」としている。

 落下後に監視船で落下想定範囲を捜索したが、落下物は発見できず、2日後に襟裳岬近辺で、漂着した機体の一部が発見された。「機体の大部分は海面落下後すぐに沈下した」とみている。

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