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タイの社員旅行で“炎上”したDYM、1.8億円の黒字「NOKIZAL」決算ピックアップ

» 2017年09月07日 13時43分 公開
[NOKIZALITmedia]

(編集部注)本記事は、執筆時に公開されていた決算公告に基づいたものです。

 DYM(東京都品川区)が9月7日、官報に掲載した2017年4月期(16年5月〜17年4月)決算公告によれば、当期純利益は1億8800万円(昨年同期は1億1500万円)、累積の利益や損失の指標となる利益剰余金は7億6900万円(昨年同期は5億8100万円)だった。

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 DYMは03年設立。代表の水谷佑毅氏は杏林大学医学部出身の医師で、学生時代に携帯の待ち受けサイトや金融系サイトを運営したところ、個人で年間7000万円を売り上げたという。医者になるか事業を続けるか悩んだ末、起業した異色の経歴を持つ。

 起業後はSEOを中心としたWebプロモーション事業を皮切りに、「世界で一番社会を変える会社を創る」ビジョンのもと、成果報酬型新卒紹介事業や中国での医療ツーリズム事業にも進出。売上は44億円(15年期)→60億円(16年期)→74億円(17年期)と急成長している。

ここがポイント

 業績的にはやや利益率の低さは気になるものの、売上を見れば分かる通り順調に伸びているDYM。2018年度は新卒を100人以上採用する予定です。

 ただ、残念ながらDYMは、16年3月に社員旅行先のタイで引き起こした騒動が話題に。専門家からは、米デジタルミレニアム著作権法(DMCA)を利用したとみられるSEO対策も指摘されていました。

 ベンチャー企業が成長を優先するあまり、体制や教育が追い付かず不祥事を起こしてしまうことはしばしば。決して褒められることではありませんが、その失敗ばかりに目をやっていては新しい芽をつんでしまうのも事実でしょう。

 とはいえ、急成長中のDYMは創業14年。さすがに社会の公器としての責任も問われるフェーズと思いますし、将来はIPOなどの選択肢もあるのであれば、尚更コンプライアンスが追求される存在になるでしょう。今後のDYMが成長を維持しつつ「大人の会社」になれるかに注目です。

DYMの過去業績、他の企業情報は「NOKIZAL」で確認できます

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《著者紹介》

平野健児。新卒でWeb広告営業を経験後、Webを中心とした新規事業の立ち上げ請負業務で独立。WebサイトM&Aの「SiteStock」や無料家計簿アプリ「ReceReco」他、多数の新規事業の立ち上げ、運営に携わる。現在は株式会社Plainworksを創業し「NOKIZAL」を運営中。

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